Googleアナリティクス4(GA4)では、ユーザーの動きを分析するための指標がいくつも用意されています。
その中でも「アクティブユーザー」は、サイトを実際に使っている人の数を示す、特に重要なデータです。
今回は、アクティブユーザーの意味や確認方法、「総ユーザー」など他の似た指標との違いを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

リンキープス ライター兼コンサル
これまで書いた記事は2,500以上、上位10位以内 獲得多数。
「ウェブ解析士」の資格を持っているため、執筆から検証まですばやくPDCAを回せます。
集客・売上UPのため、文章にとことんこだわります!
記事で悩んでいる方はぜひご相談ください。
GA4におけるアクティブユーザーとは
GA4の「アクティブユーザー」とは、指定した期間内にサイトを訪れ、何らかの行動を起こしたユーザーを指します。
ここでは、アクティブユーザーの定義や重要性を解説します。
アクティブユーザーの定義
Google公式ヘルプによると、以下のいずれかの条件を満たすとアクティブユーザーとしてカウントされます。
エンゲージメント セッションが発生するか、アナリティクスで以下の情報が収集されると、アクティブ ユーザーとして認識されます。
- ウェブサイトの first_visit イベントまたは engagement_time_msec パラメータ
- Android アプリの first_open イベントまたは engagement_time_msec パラメータ
- iOS アプリの first_open イベントまたは user_engagement イベント
もう少しかみ砕いて説明すると、次のような行動が該当します。
- 初めてサイトを訪れた
- ページを1秒以上見続けた
- 動画をクリックした
単なるアクセス数とは違い、サイト上で何らかの行動を起こしたユーザーの数を示すのが、アクティブユーザーの特徴です。
エンゲージメントについて詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
アクティブユーザーから何がわかる?
アクティブユーザー数は、サイトやアプリが「どれだけ使われているか」を示す指標です。
多くのユーザーが継続的にアクセスしているということは、コンテンツが魅力的で、使いやすい設計がされていると考えられます。
逆に、アクティブユーザー数が減っている場合は「サイトに不具合がある」「内容がユーザーのニーズに合っていない」「他社サイトに流れている」など、何らかの問題がある可能性があります。
アクティブユーザーの増減を追えば、改善すべきポイントやうまくいっている施策を見つけやすいと言えるでしょう。
ユーザー=アクティブユーザー
GA4で「ユーザー」と表示されている指標は、基本的に「アクティブユーザー」と同じ意味です。
例えばレポート機能では「ユーザー」、探索機能では「アクティブユーザー数」と表記されていますが、どちらも何らかの行動をしたユーザーとしてカウントされます。
表記が異なるだけで中身は同じなので、両者を別物と勘違いしないよう注意しましょう。
アクティブユーザーと他の指標との違い
GA4では、アクティブユーザーのほかにも「総ユーザー数」「新規ユーザー数」「リピーター」といった複数のユーザー指標が用意されています。
どれも似たように見えますが、意味やカウント方法が異なります。
- アクティブユーザー:何らかの行動(エンゲージメント)をしたユーザー
- 総ユーザー数:アクセスしたすべてのユニークユーザー(行動の有無は問わない)
- 新規ユーザー数:初めてサイトに訪問したと判断されたユーザー
- リピーター:特定の期間内に2回以上サイトを訪問したユーザー
数字の背景にあるユーザー行動を正確に読み取れるよう、違いを確認しておきましょう。
総ユーザー数
総ユーザー数は、GA4が識別したユニーク(個々の)ユーザーの合計です。
サイトにアクセスしただけでカウントされるため、行動の有無は問いません。
一方、アクティブユーザーは何らかの操作や滞在があった場合のみカウントされます。そのため、同じ期間でも総ユーザー数の方が多くなるのが一般的です。
新規ユーザー数
新規ユーザー数は、GA4が「このサイトに初めて来た」と判断したユーザーの数です。
識別には、User-IDやGoogleシグナル、デバイスID、モデリングなどの情報が使われます。
セッションや行動の有無は関係なく、あくまで初回訪問かどうかでカウントされるため、アクティブユーザーとは集計の基準が異なります。
サイトへの最初の接点を示す指標と考えるとわかりやすいでしょう。
リピーター
リピーターは、特定の期間内に2回以上サイトを訪れたユーザーを指します。
再訪問しているため、サイトへの関心度や定着率を測る指標として役立ちます。
ただし、GA4では新規ユーザーが同じ期間内にリピーターにもなることがあるため、両者を単純に合計しても総ユーザー数にはなりません。
リピーター数を確認する際は、重複を前提に数値を読み解く必要があります。
GA4でアクティブユーザー数を確認する方法
GA4では、アクティブユーザー数を複数の画面から確認できます。
ざっくり全体を把握したいときと、詳しく分析したいときで、使う機能を使い分けるのがポイントです。ここでは代表的な3つの確認方法を紹介します。
スナップショットで確認する
アクティブユーザー数を手軽にチェックしたいときは、「レポート」内のスナップショット(概要)が便利です。
GA4の左メニューから「レポート」を開くと、「アクティブユーザー」「新規ユーザー数」「平均エンゲージメント時間」などの指標が表示されます。
アクティブユーザー数は一番左に表示されているため、サイトの動きや傾向を素早く把握できます。
表示期間はデフォルトで過去28日間ですが、画面上部の日付をクリックすれば自由に変更可能です。
ユーザー属性で確認する
地域ごとのアクティブユーザー数を見たいときは、「ユーザー属性」レポートを活用しましょう。
GA4のメニューから「ユーザー」→「ユーザー属性」→「ユーザー属性の詳細」と進むと、エリア別のアクティブユーザー数を確認できます。
初期設定では国単位ですが、市区町村など細かい地域にも切り替え可能です。
日付の範囲も画面上部で自由に設定できるため、傾向や変化を分析したいときに役立ちます。
探索レポートを作成する
アクティブユーザーをより詳しく分析したい場合は、「探索」機能を使うのがおすすめです。
レポートを自分でカスタマイズできるため、ディメンション(分析軸)と「アクティブユーザー数」を組み合わせて、さまざまな切り口から視覚的に分析できます。
たとえば、「月別のアクティブユーザーの推移」や「デバイス別の利用傾向」など、目的に応じたレポートが柔軟に作成できます。
探索レポートの作成手順(自由形式)は以下の通りです。
- 探索をクリック
GA4の左メニューから「探索」をクリックする。空白から作成も可能だが、初めての場合は「自由形式」を選ぶとわかりやすい。
- 行を設定する
デフォルトでは「市区町村」になっているが、「性別」「年齢」などに変更可能。
- 列を設定する
初期設定は「デバイスカテゴリ」。必要に応じて「イベント名」や「時間(帯)」などへ変更する。
- 値を設定する
「アクティブユーザー」が初期設定だが、「アクティブユーザーあたりのイベント数」や「30日以内に購入のあったアクティブユーザー数」などにも変更できる。
- レポートを確認する
右側に集計結果が表示される。
ダウンロードアイコンからGoogleスプレッドシートやPDFに出力可能。共有アイコンを使えば、読み取り専用で他メンバーと共有できる。
※操作内容は自動保存されるため、左メニューから別レポートに移動しても設定は保持される。
探索レポートを初めて触った方は、行動フロー(経路データ探索)もついでに作っておくことをおすすめします。以下の記事で詳しい手順を説明しているので、試してみてください。
まとめ
GA4で使われる「アクティブユーザー」は、サイトやアプリ上で行動を起こしたユーザーを示す指標です。
ページを開いただけでなく、スクロールやクリックなど何かしらの操作をした人だけが対象となるため、サイトがどれだけ利用されているかを把握するのに適しています。
また、総ユーザー数・新規ユーザー数・リピーターとの違いを理解しておくことで、データ分析の精度が上がります。
課題や改善策を見つけるためにも、アクティブユーザーの動きを継続的に確認していきましょう。
「GA4で分析したいけど、よく分からない」と困っている方は、書籍で体系的に学ぶのがおすすめです。こちらの記事では初心者向けの本をまとめているので、チェックしてみてください。