ブログ記事を書く経営者の皆さん、WEB担当者の皆さん、文章作成に頭を悩ませていませんか?「単調で退屈な文章になってしまう」「最後まで読んでもらえない」という課題は、多くの人が直面するものです。

そこで今回、文章を引き立て、読者の興味を引きつけるための「修辞法(レトリック)」を例文付きで紹介します。ぜひ活用して、より魅力的で読み応えのある文章を書いてくださいね。

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    「修辞法(レトリック)」とは?

    修辞法(レトリック)とは、文章に説得力を増したり、洗練された印象を与えるための表現(総称)です。「修辞技法」「レトリック」とも呼ばれます。

    代表的な修辞法には「比喩」「倒置法」「擬人法」「体言止め」があります。※詳しくは後述します。

    代表的な修辞法
    • 比喩
    • 倒置法
    • 擬人法
    • 体言止め

    用途に応じて使い分けると文章の表現力がアップし、読者に最後まで読んでもらえるでしょう。

    しかし、使いすぎると文章のポイントがぼやけたり、回りくどく感じられることがあります。修辞法は文中のアクセントとして使うのがおすすめです。

    修辞法10種類の特徴と使い方

    ここからは記事を書く人が知っておきたい修辞法について、特徴と使い方を分かりやすく説明します。例文も紹介するので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

    ”例え”で印象を強くする「比喩」

    「比喩」とは、文章中で物事を別の物事に例える表現手法です。一見関係ないようなものと組み合わせることで、読者に対象のイメージをより強く与えます。

    比喩には4つの種類(直喩・隠喩・換喩・提喩)があります。それぞれの違いを見ていきましょう。

    直喩

    直喩(ちょくゆ)は、比較対象が明確に示されているため、読者にとってイメージしやすく、理解しやすい表現法です。代表的な使い方は「まるで〜のような◯◯だ」です。

    直喩の例文
    • 彼の声はまるで夜の静けさのようだ。
    • 彼女の笑顔は太陽みたいに明るい。
    • あの人の言葉はナイフのように鋭い。

    例えば「彼の声はまるで夜の静けさのようだ」と書かれていれば「声が小さめで、落ち着きのある話し方をしているんだなぁ」と想像できますよね。

    隠喩

    隠喩(いんゆ)は、「〜のような」「みたいな」を使わず、あるものを別のもので例える方法です。

    隠喩の例文
    • このオフィスはジャングルだ。
    • 彼女は私の人生のコンパスだ。
    • 彼は歩く辞書だ。

    例えば「このオフィスはジャングルだ」という表現を見てみましょう。これは文字通りのジャングルを指しているわけではなく、オフィスの環境が競争が激しく、混沌としている様子をジャングルに例えて表しています。

    隠喩は直接的な比較を示さないものの、読者に対象の本質や特徴を理解させる効果が期待できます。

    換喩

    換喩(かんゆ)は、表現対象と関連性が高い物事に置き換える方法です。

    換喩の例文
    • ホワイトハウスによると、本日の会議で、新しい政策の導入が決定した模様です。
    • やかんが沸いた。(=やかんの水が沸いた)
    • 日本中が涙した感動のストーリー(=実際は日本人全員は見ていない)

    例えば「ホワイトハウスによると、本日の会議で、新しい政策の導入が決定した模様です。」という文を見てみましょう。文脈での「ホワイトハウス」は実際の建物ではなく、その中で働く政府高官や大統領を象徴しています。

    提喩

    提喩(ていゆ)は、全体を部分で示したり、部分を全体で示したりする表現です。

    提喩の例文
    • 明日、花見に行く予定。(花=桜)
    • 人はパンのみにて生くるものにあらず(パン=食べ物全般)
    • 今度お茶でも飲みに行きませんか?(お茶=飲み物全般)

    「花見」という言葉は花という全体の言葉を使っているのに、ほとんどの場合、桜を指しますよね。具体的な言葉を使わずとも、相手に特定のものごとをイメージさせることができるのです。

    人間ぽさで親近感UP「擬人法」

    擬人法は、人間ではない物事に人間の動作や感情を例える表現方法です。物事や現象をより身近に感じさせるため、読者に親近感や共感を抱かせます。

    擬人法の例文
    • 鳥が歌う
    • 木々のざわめき
    • 大地は怒る

    「鳥が歌う」という表現は、鳥の鳴き声を人間の歌に例えています。実際には鳥は歌うわけではありませんが、人間の美しい歌声のように聞こえる、と言っているんですね。

    例えるという点で比喩と似ていますが、擬人法は対象が人間以外のものに限定されています。

    音からシーンが浮かび上がる「擬態法」

    擬態法(オノマトペ)は、物事の音や様子を擬態語・擬音語で表現する方法です。※擬態語・擬音語について詳しくは後述します。
    文章にリズムや生き生きとした動きを与え、読者の感覚に訴えかけます。

    擬態語

    擬態語とは人間の感情や物事の状態を描写する言葉です。「わくわく」「にっこり」「キラキラ」「ツルツル」など、会話の中でよく使っているのではないでしょうか。

    擬態語の例文
    • 友人との旅行が楽しみで、わくわくしている。
    • 納豆の、このネバネバがいいんだよね。
    • こたつが気持ち良すぎて、ついうとうとしてしまった。

    擬音語

    擬音語(擬声語)とは動物の鳴き声や自然の音を表す言葉です。例えば「ワンワン」「ニャーニャー」「ガチャッ」などがあります。

    擬音語の例文
    • 一日中、雨がしとしと降っていた。
    • 愛犬のペロは、私が帰ってくるといつもワンワンと吠えながら駆け寄ってくる。
    • 早朝というのに、ドアをドンドン叩く音がした。

    「しとしと」は穏やかな小雨を表現しており、すぐにシーンが思い浮かびますよね。自然の音の中でも特に、雨の降り方を表す擬音語は豊富な種類があります。

    雨の降り方を表す擬音語
    • ぽつぽつ:不規則で間隔を置いて落ちる雨。雨の降り始めや小雨を表す。
    • ぱらぱら:まばらに降る雨。ぽつぽつよりも少し雨量が多い。
    • ざーざー:激しい雨。雨音が大きく聞こえる様子。

    単に「雨が降っている」よりも、雨の降り方や雰囲気を具体的に想像できますよね。

    インパクトを与えたい時は「誇張法」

    誇張法(こちょうほう)は物事を現実よりも大げさに表現して、強調する手法です。文章にインパクトを与えたり、感情や意見を強く表現したりする際に用いられます。

    誇張方の例文
    • このケーキ美味しい!ほっぺたが落ちそう!
    • 猫の額ほどの庭
    • 1000年に一人の美少女

    例えば「ほっぺたが落ちそう」は、実際にほっぺが落ちるわけではありませんよね。語源は「あまりにも美味しくて頬が緩む」「唾液腺が刺激されて痛くなる」といった説が有効です。

    なお、誇張法はカジュアルな記事(コンテンツ)や物語性を重視する文脈には向いていますが、ビジネスシーンでは避けた方が無難です。
    数字や事実の正確性が重視される状況では、誇張法は誤解を招いたり、信頼性を損ねたりする可能性があるためです。

    注意

    根拠のない「〇〇No. 1」は景品表示法違反にあたりますので注意してください。

    リズムを生み出す「倒置法」

    倒置法は、文章の語順を変えることで強調やリズムを生み出す表現方法です。日本語では通常、主語が先に来るものですが、倒置法では動詞や目的語などを文の先頭に持ってきます。

    倒置法の例文
    • 見つけた、ついに答えを。
    • 待っていた、彼女をずっと。
    • 一歩踏み出せ、輝く未来へ。

    通常、「ついに答えを見つけた」という語順のところ「見つけた、ついに答えを。」へ変えています。
    ただ順番を入れ替えただけですが、文章にリズムが出る上に、発見した瞬間の重要性・嬉しさなどが伝わってきますよね。

    重要な部分を際立たせる「体言止め」

    体言止めとは、文章の最後を名詞または名詞句で終わらせる表現方法です。文末にある語句を強調し、読者の注意を引く効果があります。
    特に結論や重要なポイントを際立たせたい場合や、文章にリズムをつけたいときに有効です。

    体言止めの例文
    • 長い一日の後、私たちに必要なのは休息と静けさ。
    • 彼の話はいつも人々を引き付ける。その理由は彼の独特な語り口。
    • 新しい年が始まる。待っているのは、チャンスと可能性。

    体言止めを使いすぎると、文章が不自然になったり、意図が明確でなくなる恐れがあります。また、ビジネス文書などのフォーマルなシーンでは、失礼な印象を与える危険性も考えられます。
    使っていい文脈かどうか、しっかり見極めましょう。

    淡々と物事を並べる「列叙法」

    列叙法(れつじょほう)は関連する要素を整理し、並べていく表現方法です。

    列叙法には列挙法(れっきょほう)と漸層法(ぜんそうほう)の2つのアプローチが含まれます。それぞれ見ていきましょう。

    列挙法

    列挙法(れっきょほう)では、同じレベルの単語や事象を並べます。特に文章の始めに要点をまとめて伝える際に有効です。

    列挙法の例文
    • 私のいつもの朝食は、コーヒー、トースト、卵、ベーコン、ヨーグルトです。
    • 旅行の計画には、航空券の予約、宿泊施設の選定、日程の調整が必要です。
    • 彼の趣味には読書、映画鑑賞、写真撮影が含まれる。

    漸層法

    漸層法(ぜんそうほう)では、関連する言葉を重要性・規模が増すように段階的に並べていきます。
    言葉や文章を重ねて最後にクライマックスを迎えるので、読者のテンションを徐々に高める効果が期待できます。

    漸層法の例文
    • 宝くじの結果を知った彼女は、微笑み、笑い、最終的には大笑いしました。
    • 彼は疑問を抱き、不安に思い、完全に絶望してしまった。
    • その男性が歌い出すと、1人また1人と立ち止まり、10人20人と増えていき、そしてついには30人以上が彼の音楽に酔いしれていた。

    繰り返して強調「反復法」

    反復法は同じ語句を繰り返すことによって、奥行きや行間を強調する修辞技法です。「同語反復」とも呼ばれます。

    特にSNS・キャッチコピー・詩といった短文と相性が良く、メッセージの重要性を強化し、読者の記憶に残りやすくします。

    反復法の例文
    • それはそれ、これはこれ。
    • 力こそパワー!
    • 知る人ぞ知る

    反復法は、単純ながら強力な修辞技法で、読者の感情に訴えかける効果があります。
    ただし、繰り返しの頻度や文脈によっては「くどい」「ごまかしてる」といったネガティブな印象を与えてしまいます。使い過ぎないよう気をつけてくださいね。

    微妙なニュアンスが伝わる「緩叙法」

    緩叙法(かんじょほう)は逆の意味を持つ言葉を否定する形で表現します。

    緩叙法の例文
    • この提案は悪くない。
    • 彼の話は面白くないわけではない。
    • あの人のことどう思ってるかって?うーん、嫌いではないよ。

    主張がより柔らかく、また遠回しに伝えられます。特に、直接的な表現が強すぎると感じる場合や、微妙なニュアンスを伝えたい時に効果的です。

    例えば「この提案は悪くない」という表現は、「良いとも悪いとも言えない…改善の余地はあるけど…」といった感情で使いますよね。
    「悪い」とストレートに伝えるよりも表現が柔らかくなり、部分的な同意や肯定を示せます。

    言わずに想像させる「省略法」

    省略法は、文章の一部を意図的に省略することで、読み手の想像力を刺激し、文章に深みや余韻を与える表現技法です。
    省略された部分には、ダッシュ(—)やリーダー(…)がよく用いられます。

    読者は省略された部分に自然と注目し、自分なりの解釈や続きを想像することになります。

    省略法の例文
    • 彼は突然立ち上がり、部屋を出て行った。その後…。
    • 私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも弾き始めると…。
    • 会議室に入った瞬間、全員が静かになった。理由は―

    例えば「彼は突然立ち上がり、部屋を出て行った。その後…。」という文は、彼の行動の理由やその後の展開を読者の想像に任せます。
    はっきり書かれていないからこそ、「どうなったんだろう?」と興味が湧きますよね。

    省略法を用いることで、文章は読者により強い印象を残し、想像力を刺激できます。ただし、過度な省略は内容の不明瞭さを招くため、省略する情報の選択とバランスが重要です。

    まとめ

    今回は、文章を豊かにする修辞法(レトリック)の各種類について、具体的な例文とともに紹介しました。
    比喩や擬人法・倒置法・体言止めなどの技法は文章に深みを加え、読者の想像力を刺激します。

    ここぞと言うときに使えば、より魅力的な文章を書くことができるでしょう。
    この記事を参考に、伝えたいメッセージや目的によって修辞法を使い分けてみてくださいね。

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