サイト全体のトンマナを合わせると読者に”らしさ”が伝わり、記憶にも残りやすくなります。
つまりファンを増やすことになり、売上にもつながります。
しかし、どのようなルールを作ればいいのかイマイチ分からないですよね。
そこで今回は現役ライターが、トーン&マナーの作り方を紹介します。
トンマナの作り方
トンマナは以下の流れで作成します。
「誰に」伝えるかを決める
「何を」伝えるかを決める
「どう」伝えるかを決める
詳しく見ていきましょう。
ペルソナを設定する
まずペルソナを設定しましょう。
ペルソナは、簡単に言えば「代表的なユーザー」です。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 年収
- ライフスタイル
「顧客はどのような人か」を考えてきます。
ペルソナ設定を怠ると、誰に何を伝えたいのかが曖昧になり、誰にも刺さらない文章になってしまいます。
コンセプトを設定する
コンセプトを設定します。
商品やサービスを通して「ユーザーにどんな体験をして欲しいのか」を考えます。
会社や商品、サービスを1人の人格にするイメージで設定すると分かりやすいです。
ユーザーが使う言葉を選ぶ
ペルソナにコンセプトを伝えるために、「どのような言葉を使えばいいか」考えます。
ここでトンマナを決めるわけですね。
ユーザーインタビューを行ったりGoogleトレンドを活用したりして、より馴染み深い表現を選ぶよう心がけましょう。
最低限決めておきたいトンマナ
文章におけるトンマナは、一貫性を保つためのルールです。
例えば一人称では、「ぼく」「オレ」「私」それぞれ受け手の印象が変わりますよね。
同じサイトの中で記事によって使う言葉が異なると、統一感がなくなり、違和感を覚えてしまいます。

インハウス(内製)でも外注でも、「この言葉はこの表現で」とルールを決めておかないとバラバラになってしまいます。
毎回チェックするのも修正するのも手間ですから、そのまま公開したくなりますよね…。
しかし、統一感のない文章は商品・会社のイメージが定着しないため、機会損失になります。
いきなり細かくルールを決めるのは難しいので、まずは5項目だけ決めておきましょう。
文末表現
文章の印象を左右するのが、文末表現です。
「です・ます」で書くか、「だ・である」で書くか、与えたい印象によって向いている表現が変わります。
「親しみやすい」「丁寧」といった印象を与えたいなら、「です・ます調(敬体)」がおすすめです。
「説得力のある」「簡潔」といった印象を与えたいなら「だ・である調(常体)」がよいでしょう。

ホームページで集客するには、とにかく継続が重要です。
ホームページで集客するには、とにかく継続が重要である。
読み手にどのような印象を与えたいのかを考えて、文末表現を決めましょう。
どうしても迷うなら、とりあえず「です・ます調」にしておくのがベターです。
カジュアルさ
文章のカジュアルさ、と聞いても「なんだろう?」と思うかもしれません。
簡単に言うと、「どのくらいカジュアルに書くか?」です。
例えば商品紹介の記事に書く文章として…どちらを使いますか?
ぜひ使ってみてくださいね!
ご検討のほどよろしくお願いします。
同じ「です・ます調(敬体)」でも、印象が変わりますよね。
法人相手なら「ぜひ使ってみてくださいね!」は少しフランクすぎるかもしれません。
商品や会社のブランディングに合わせて、テイストを選ぶといいですね。
表記
表記の統一も意識しましょう。
例えば、漢字で書くか、ひらがなで書くか、迷う言葉がありますよね。
漢字 | ひらがな |
---|---|
〜する事 | 〜すること |
出来る | できる |
御座います | ございます |
同じ言葉でも、印象が変わってしまいます。
数字や記号なら全角なのか半角なのかも決めておきましょう。
基本的には数字は半角、記号(「」など)は全角がおすすめです。
特に複数人が書く場合、それぞれのクセが出てしまい、表記がバラバラになりがちです。
あらかじめルールを作っておくことで修正する必要がなくなり、効率もアップするでしょう。
文字数制限
1文あたりの文字数を決めておくことも大事です。
最近はスマートフォンを使ってサイトを閲覧するユーザーが増えていますよね。
スマホでの読みやすさを考慮すると、1文は20〜40字程度がおすすめです。

文字数を制限すると冗長表現を避けることになり、スッキリとした印象になります。
避ける表現
炎上は避けたいですよね。
「書くべきではない内容」「使うべきではない表現」を決めておくと、トラブルを回避できます。
例えば、これは文章ではありませんが、吉野家の元常務の発言が問題となりました。
「生娘をシャブ漬け戦略」…あまりにもひどいですよね。
ネット社会では、不適切な発言はあっという間に炎上する恐れがあります。
「何をどう書くか?」と同じように、「何を書かないか?」も考えておきましょう。
トンマナ事例
トンマナの参考として、3つのサイト・サービスを紹介します。
それぞれペルソナや言葉選びが異なり、印象が変わることを確認してみましょう。
親しみやすい「Slack」
「Slack」というビジネスチャットサービスでは、フランクな雰囲気を心がけているようです。
アイデア出しについての記事で、締めくくりを見てみましょう。
ぜひ、本記事を参考に、次なる事業展開を生み出すためのアイデア出しに取り組んでみてはいかがでしょうか。
効率良くアイデアを出したい!おすすめの方法とビジネスツールを紹介 | Slack
親しみやすい印象を受けますよね。
スマホアプリのアップデート文も”らしさ”が表れています。
Slackのブランドガイドラインでは、トンマナについてこのように書かれています。
We are humans, speaking to humans.
(私たちは人間であり、人間に向かって話しているのです。)
メディアキット | Slack
まるで友人に話しかけるような文章は、Slackの魅力です。
説得力がある「バズ部」
「バズ部」はコンテンツマーケティングを学習できるメディアです。
サイトは一貫して「で・ある調」が使われ、説得力が増しています。
例えばこの文章を読んでみてください。
「最初に理解さえしていればうまくいっていただろうに…」と思うケースをこれ以上増やしたくないので、この記事でコンテンツマーケティングとSEOの違いを明らかにする。ぜひ理解して成果につなげてほしい。
コンテンツマーケティングとSEOを混同している企業は成果が出ない
「きちんと学べば読者も成功できる」という確信のようなものが感じ取れますよね。
トンマナが徹底されている「note」
「note」はクリエイター向けのプラットフォームです。
note編集部の記事を読むと、親しみやすさに重点を置いているようです。
でも、創作に慣れていなくて、何をどうやって表現したらいいのかわからず、一歩踏み出せない人もいるかもしれませんね。ここでは、これからnoteを使ってみたいけれど、何か取っかかりがほしいな、という人に向けて、創作のヒントを紹介していきます。
noteで書くテーマに迷ったときの3つのアイデア|note編集部|note
noteはトンマナを「トーンオブボイス」として明確にし、社員に共有しています。
もともとnoteは「noteさん」という人格を2年ぐらい前に作っており、もともと事前にシステムを作る前からそういう話は動いてました。これを具体的に使えるようにしておくのが、トーンオブボイスの取り組みの1つです。
「noteらしさ」を共通言語化。noteが作る、全員参加型のデザインシステム | キャリアハック
記事・サービスを通して「どんな印象を持って欲しいか」を徹底しているのが分かります。
まとめ
今回はトーン&マナーの作成ポイントを紹介しました。
以下の流れでトンマナを作り、文章に一貫性を持たせましょう。
「誰に」伝えるかを決める
「何を」伝えるかを決める
「どう」伝えるかを決める
事例も参考にして、ホームページのトンマナを作ってみてください。