「漢字とひらがな、どっちで書くべき?」と迷うことはありませんか?

漢字で表現できる言葉をひらがなであらわすことを「ひらく(開く)」と言います。

漢字とひらがなのバランスは「3:7」がよいとされていますが、具体的にどの漢字をひらけばいいのかイマイチわからないんですよね。

そこで今回は、現役ライターが「漢字をひらく」基準を紹介します。

漢字ではなく、ひらがなにする基準

現役ライターが考えている、漢字をひらがなにするべき基準はこちら。

  • 基準1.読み方が複数ある漢字はひらく
  • 基準2.使い分けに迷う漢字はひらく
  • 基準3.意味を持たない漢字はひらく
  • 基準4.丁寧な言葉の漢字はひらく
  • 基準5.言葉を説明する”副詞”はひらく

詳しく見ていきましょう。

基準1.読み方が複数ある漢字はひらく

「訳(やく / わけ)」のように、読み方や意味が複数ある言葉ひらきます。

読者が「どっちだろう?」と迷わずに済むので、ストレスを感じにくくなります。

漢字ひらく1ひらく2
やくわけ
かたほう
辛いつらいからい
行ったいったおこなった
一時いちじいっとき
下手へたしたて
上手じょうずかみて
人事じんじひとごと
夫婦ふうふめおと
何時なんじいつ
生物いきものせいぶつ
細々こまごまほそぼそ
銀杏いちょうぎんなん
臭いにおいくさい
開けるあけるひらける
汚れよごれけがれ
空いたあいたすいた
止めるとめるやめる

基準2.使い分けに迷う漢字はひらく

使い分けに迷う漢字はひらがなでOK!

もし読んでいる人が「この漢字違うんじゃない?」と考え始めてしまったら、記事の内容が頭に入らないですよね。

漢字を調べに別のページに飛んでしまうかもしれません。

「どっちの漢字だっけ?」と迷うような漢字は、ひらがなで濁すのもひとつの手ですよ。

ひらく漢字1漢字2
かわる変わる代わる
かたい硬い固い
みる見る観る
きく聞く聴く
のぼる登る上る
あたたかい温かい暖かい
はかる図る測る
もと

基準3.意味を持たない漢字はひらく

「そんなこと、これまで知らなかった」の「こと」は形式名詞に分類されます。

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形式名詞とは、それ自身には実質的な意味がない名詞です。

形式名詞はひらがなで表記するのが一般的です。

漢字ひらく例文
ことそんなこと、これまで知らなかった
もの人の性格はなかなか変わらないものだ
とき今度あったときに話すよ
ところいまから出かけるところです
はずきっと上手くいくはず!
通りとおり彼の言うとおりだった
ため何のために生まれて何をして生きるのか

基準4.丁寧な言葉の漢字はひらく

丁寧な言葉遣いでは漢字を多く使いがち。

特に敬語(謙譲語・尊敬語・丁寧語)を使う文では、漢字とひらがなのバランスが偏りますよね。

しかし漢字が多い文章は「堅苦しい」「難しい」といった印象を与えてしまいます。

最後まで読まれずに離脱されてしまうかも…。

記事では読みやすさを優先して、積極的に開きましょう。

漢字ひらく例文
予めあらかじめあらかじめご了承ください
致しますいたしますご連絡いたします
下さいくださいご確認ください
頂くいただくお越しいただき、ありがとうございます
御座いますございますお越しいただき、ありがとうございます
及びおよび乗客および乗務員
更にさらにさらに効果が期待できます
なおなお、詳細はこちらをご覧ください
何卒なにとぞなにとぞよろしくお願いいたします
宜しくよろしくなにとぞよろしくお願いいたします
後程のちほどのちほどお電話しますね
大変たいへんたいへん長らくお待たせしました
未だいまだいまだに返事が来ない

基準5.言葉を説明する”副詞”はひらく

他の言葉を詳しく説明する語句を「副詞」と言います。

副詞と言われてもピンとこないかもしれません。

例えば「もっとも」「ほとんど」「まったく」といった言葉です。

以下のような副詞はひらがなで表記することが多いです。

漢字ひらく例文
尤ももっともごもっともな質問です
殆どほとんどほとんど食べていない
全くまったくまったく気づきませんでした
直ぐにすぐにすぐにご連絡いたします
忽ちたちまちたちまち品切れになった
一層いっそういっそう文章が上手になっていた
勿論もちろんもちろん出席します
暫くしばらくしばらくお待ちください
何故なぜなぜこんなに暑いのか

漢字をひらくべきか迷ったら!おすすめの本

漢字の「ひらく」「とじる」についてもっと知りたいなら『記者ハンドブック』がおすすめです。

『記者ハンドブック』は書き方のルールを共同通信社がまとめた本です。

ひらがなにする言葉に加えて、送り仮名の付け方や間違えやすい言葉なども載っています。

記者ハンドブック 第14版 新聞用字用語集
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ちょっぴり高いですが、1冊持っておくと便利ですよ!

なぜ、漢字をひらく必要があるのか?

漢字の「ひらく」「とじる」には明確なルールはありません。

「覚えるの大変だな」「いちいち確認するの面倒だな」と思ったかもしれません。

「全部漢字にしてしまえばいいじゃないか」…確かに、そのほうが書く側はラクです。

しかし読む側としてはどうでしょうか?

例えば、記事最後のまとめ部分でよく使われる表現を漢字多めで書いてみましょう。

如何でしたか。この記事を参考に貴方も是非試してみて下さいね。

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固すぎる!パッと見ただけで読む気なくなりますよね。

いかがでしたか。この記事を参考にあなたもぜひ試してみてくださいね。

同じ文章でも、漢字をひらくとグッと読みやすくなり、やわらかい印象も感じます。

漢字をひらくのは「読みやすさ」「親しみやすさ」を演出するためなのです。

まとめ

今回は現役ライターが「漢字をひらく」基準を紹介しました。

「漢字をひらく」基準を知って、読みやすい文章をすばやく書こう

・基準1.読み方が複数ある漢字はひらく
・基準2.使い分けに迷う漢字はひらく
・基準3.意味を持たない漢字はひらく
・基準4.丁寧な言葉の漢字はひらく
・基準5.言葉を説明する”副詞”はひらく

5つの基準を覚えれば、「この言葉は漢字か?ひらがなか?」と悩む時間が短くなりますよ。

適度に漢字をひらいて、読者に「読みやすい」と思ってもらえる記事を目指しましょう。