「書きたいことがなかなかまとまらない」「もっと説得力のある文章を書きたい」「伝えたいことが伝わらない」と感じたことはありませんか?
そんな時は思考ツールを使ってみましょう。思考ツールは、アイデアを整理したり、文章に深みをもたらしたりと、良いことばかり。
そこで今回は、記事を書く際に役立つ思考ツール10種類と、その使い方を紹介します。
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記事執筆で思考ツールを使うメリット
「記事を書くのに、これまで思考ツールなんて使ったことない」という方が多いのではないでしょうか。「めんどくさそう」「別に使わなくても書けるし」といった意見も分かります。ただライターの立場から言わせてもらうと、思考ツールを活用すると質の高い文章をスピーディーに書けるようになります。
- 新しい発想が生まれ、独自性の高いコンテンツを作れる
- 情報を論理的に整理でき、書きやすくなる
- テーマをいろんな角度から考え、文章に深みが出る
ひとつずつ見ていきましょう。
独自性の高いコンテンツを作れる
思考ツールを使うと、既存の考え方から脱却し、新しいアイデアが生まれやすくなります。
例えば、PMI法(詳しくは後述)を活用すれば新たな視点に気づけるかもしれません。それを文章に取り入れれば、あなたにしか書けない記事に仕上がるでしょう。
「どのサイトでも読めるコンテンツ」ではなく、「独自性のあるコンテンツ」に変わるのです。独自性の高いコンテンツはGoogle(検索エンジン)にも評価されますし、読者にも喜ばれますよ。
情報を論理的に整理でき、書きやすくなる
「書きたいテーマは決まっているが、まとまらない」「話があっちこっちに飛んでしまう」と困ったことはありませんか?思考ツールは記事の構造を整理する際にも役立ちます。
例えばピラミッドチャート(詳しくは後述)を使うと、主なポイントを論理的な流れで伝えられるようになります。「何を書けばいいのか」「どんな順番に並べればいいか」もはっきりしますし、読者としても内容を理解しやすくなります。
いろんな角度から考えられ、文章に深みが出る
異なる視点からの分析は、記事の価値を高めます。例えばシックスハット法(詳しくは後述)を使うと、ひとつのトピックを6つの角度から考察でき、記事がより洞察に富んだものになります。
反対意見にも理解を示せますし、読者の気持ちに寄り添った表現を選べるようになるので、トラブルを避けられるでしょう。
おすすめ思考ツール10種類と活用法
ここからは文章を書く際にぜひ使って欲しい、おすすめの思考ツールを紹介していきます。「どんな時に向いているのか」もあわせて説明しているので、シーンに応じて使い分けてくださいね。
主張を納得させたい時に「クラゲチャート」
「書きたいことがまとまらない」「材料が不足しているかも」そんな時はクラゲチャートを使いましょう。「クラゲチャート」では、主張をクラゲの頭部分に配置し、その根拠や理由を足の部分に書き込んでいきます。
クラゲチャートの使い方
- クラゲの頭の部分に、主張や意見・テーマを書き込む
- 足部分の◯に、根拠や原因・出来事・経験などを書き込む
- クラゲチャートをもとに文章にしていく
足部分は5個ありますが、すべて埋めなくてもいいですし、付け足してもOKです。アイデアや情報の関連性をビジュアル化して、何を書けばいいのかを整理していきましょう。
優先順位をつけて取捨選択「ピラミッドチャート」
記事にあれもこれも盛り込みたくて、「異常に長くなってしまう」「あまり関係のない話まで書いてしまう」そんな経験はありませんか?
「ピラミッドチャート」は、ピラミッドの名の通り、関連情報を階層的に整理します。伝えたいことを明確にし、優先順位をつける際に効果的です。
ピラミッドチャートの使い方
- 主張をピラミッドの一番上に書く
- 二番目の階層に主張を支える理由や根拠を書く
- 三番目の階層に、二番目の階層を裏付ける事実・データを書く
主張に関連性の高い話題だけをピックアップすれば、端的かつ効果的に読者へ意見を伝えられます。
賛成と反対の両面から考える「バタフライチャート」
「バタフライチャート」は、トピックに対する賛成・強い賛成、反対・強い反対の意見を整理するのに使われる思考ツールです。賛成と反対両方から考えることで、共感を呼ぶ文章を書けるでしょう。
バタフライチャートの使い方
- トピックを真ん中の胴体部分に書く
- 賛成・強い賛成それぞれに理由を書く
- 反対・強い反対それぞれに理由を書く
特に、デリケートなトピックでは一方的に書くと炎上しがちなので、相手の気持ちを理解しながら書くのが重要。反対意見にも触れて「こういう考えもありますよね」「その意見も分かります」と共感して、読者からの反感を防止するという使い方もおすすめです。
複雑な問題も解決に導く「フィッシュボーンチャート」
読者の悩みや課題を解決する記事を書きたいけれど、原因が複雑に絡み合っていて何から書けばいいのか分からない。そんな時には「フィッシュボーンチャート(特性要因図)」を選びましょう。
フィッシュボーンチャートの使い方
- 魚の頭部分(右側)に結果・解決すべき問題を書く
- 大骨(四角い枠)に、大きな要因を書く。4Mに注目。
- 小骨に、大骨に影響する要素を書く
フィッシュボーンチャートは魚の骨のような形をしており、中心の背骨がメインの問題を表し、そこから伸びる骨が関連する要因を示します。特に「Man(人)」「Machine(機械)」「Method(方法)」「Material(材料)」の4Mをピックアップしてください。
要因を漏れなく、体系的に分析できるため、入り組んだ問題も解決策を分かりやすく書けるでしょう。
アイデアが湧いてくる「PMI法」
他の人が書いた記事を読んで「切り口が鋭くて面白い!」「なんであの人はあんなにアイデアを出せるんだ?」と感じたことはありませんか?同じテーマでも、捉え方や視点が異なると読者の反応も変わるんですよね。
どうしても”ありきたりな文章”を書いてしまうという時は「PMI法」を試してみましょう。PMI法は、「プラス(PLUS)」「マイナス(MINUS)」「興味(INTEREST)」の3つの観点から評価を行う手法です。
PMI法の使い方
- テーマについて、良い点を「プラス」として書く
- 悪い点や問題点を「マイナス」として書く
- 興味深い点や独特の特徴、PMどちらでもないものを「興味」として書く
下書き・アイデア出しの段階でPMI法を取り入れれば、新しい視点にも気づけますし、深く考察するきっかけにもなるでしょう。
もし〜なら、を想像する「キャンディチャート」
「将来起こるかもしれない未来を述べたい」と考えていませんか?例えば近年、ChatGPTをはじめとするAIの発展が凄まじく、「こういう仕事はなくなってしまうのではないか」といった話題もよく出ますよね。
「近いうちに、こうなるのではないか」といった予想を文章にする際、「なんとなくそう思うから」が理由では説得力がないですよね。特定の条件下での結果を推論したい時には「キャンディチャート」が向いています。
チャートの形に沿って、「条件(もし〜が〜だったら)」→「結果(〜になる)」→「理由(なぜなら〜だからだ)」を書き込んでみましょう。
キャンディチャートの使い方
- キャンディの左側に、条件を書く
- 真ん中部分には予想の結果を書く
- 予想した理由・根拠を右側に書く
少し面倒に思うかもしれませんが、読者が納得するような文章を書くために、ぜひ取り入れてくださいね。
本質的な原因を見つけやすい「因果関係図」
トラブル回避法や対応策について記事にまとめたいときは「因果関係図」が向いています。因果関係図の目的は「問題の再発防止」、つまり結果を引き起こす原因に対して効果的な解決策を見つけることです。
因果関係図の使い方
- 一番上に結果(問題)を書く
- 問題を引き起こす原因をいくつも書く
- 原因から結果へ矢印でつなぐ
- 全体の中で、核となる原因(根本原因)を特定する
問題の全体構造を一望でき、どの要因が重要であるかを判断しやすくなります。読者に「こういう行動を取るのは危険です」と説得力を持って説明できるはずです。
ストーリーを記事にしたいときは「プロット図」
企業や経営者のストーリーを記事にしたいときは「プロット図」がぴったりです。プロット図は、物語やシナリオの構成要素を時間軸に沿って整理する思考ツールです。
一番高い部分には物語のクライマックスを配置し、その他の部分には原因・要因・出来事などを配置します。
プロット図の使い方
- 左側を物語の始まりとし、最初の出来事・設定などを書く
- 一番高い部分にクライマックス(重大な決断を下すなど)を書く
- 出来事を時系列に並べていく
- 右側に結末(エンディング)を書く
プロット図を使って、自然な流れで物語を構築し、読者に伝わりやすい内容へと改善していきましょう。
話の流れを端的にあらわす「ステップチャート」
「ステップチャート(フローチャート)」は要点や手順を段階的に表示し、話の流れや優先順位を整理するのに役立ちます。矢印は通常、時系列に沿って配置され、各ステップが次のステップへと進むように構成されています。
ステップチャートの使い方
- すべての要点を洗い出す
- 一番上に、最初の出来事・要点などを書く
- 上から下に時系列に配置する(枠や矢印は増やしてOK)
例えば、記事の構成を考える際に「起承転結」の形式で内容を表示できるのです。最初から順序立てて考えるのは難しいので、まずは思いついたことを書き出し、並べ替えるようにして使うのがおすすめです。
さまざまな視点から考えられる「シックスハット法」
ひとりで文章を書いていると、どうしても一つの考え方に凝り固まってしまいがち。相手(読者)の立場に立っているつもりでも、「こうに違いない」「きっとこうなのだろう」と”自分なり”で決めつけていることも。
そうなると、相手にとっては「自分の気持ちをわかってもらえない!」「全然違う!」と感じられ、トラブルが起こるかもしれません。
「シックスハット法(6つの帽子思考法)」は、テーマに対して6つの視点(帽子)に切り替えながら考える方法です。それぞれの帽子は、以下の視点をあらわします。
- 赤色(レッドハット):主観的で直感的な感情や直観を反映
- 黒色(ブラックハット):否定的で悲観的な視点、リスクや弱点の検討
- 黄色(イエローハット):肯定的で楽観的な視点、利点や価値の探求
- 白色(ホワイトハット):客観的で中立的な情報に基づく考え
- 緑色(グリーンハット):創造的で革新的な思考、新しいアイデアの生成
- 青色(ブルーハット):プロセスを管理し、全体を俯瞰し、統括する視点
シックスハット法の使い方
- 赤色の立場から意見を書き出す(色の順番は変えてもよい)
- 黒→黄→白→緑、それぞれの立場から書く
- 最後に青色の立場に立ち、まとめる
チームでのブレインストーミングにおいて効果的ですが、ひとりでも行えるので安心してください。異なる視点を意識的に取り入れることで、それぞれの立場を考慮した文章が書けるでしょう。
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完成したら、上部バー「ファイル」→「保存」をクリック。名前やファイル形式・保存先を設定して「保存」をクリック。おすすめは「.png形式」「ダウンロード」ですが、お好みで。
まとめ
今回、文章を書く時にとても役立つ思考ツールを紹介しました。アイデアをまとめたり、記事の流れを作ったり、頭の中だけでは混乱しがちなことも可視化するとスムーズに進みます。
今よりもっと魅力的な記事を書くために、ぜひ思考ツールを活用してくださいね。
思考ツールを使っても文章を書くのに時間がかかってしまう…という方は、対処法を解説したこちらの記事もおすすめです↓