商品に自信はあるのに、なかなか売れない…そんなときに活用して欲しいのがマーケティング心理です。マーケティング心理に沿って文章を書けば、”放置しても売れる”状態を目指せます。

今回は文章で人を動かすために、知っておきたいマーケティング心理を紹介します。

禁止されるとやりたくなる「カリギュラ効果」

「カリギュラ効果」とは、禁止されると逆にやりたくなる心理現象のことです。

代表的な例は、鶴の恩返しの「覗かないでください」。「覗いちゃダメ」と禁止されたからこそ覗いてしまう、人間の心理を表しています。

他にも、こういった文言を見たことはないでしょうか。

カリギュラ効果の例
  • 絶対に見ないでください
  • 明日仕事の人は見ないでください
  • 閲覧注意
  • 本気で痩せたい人以外は使わないでください
  • 本当は公開したくないノウハウ
  • 興味がない人は読まないでください

禁止されると逆に気になってしまいますよね。記事タイトルに「カリギュラ効果」を使えば、クリックを促せるでしょう。

ターゲットの心をつかむ「カクテルパーティ効果」

ざわざわと騒がしいカフェの中でも、名前を呼ばれたら反応できますよね。これは「カクテルパーティ効果」と呼ばれる心理です。

自分に関係すること・関心を持っていることは、情報が溢れている中でもしっかりキャッチできます。情報発信するなら「カクテルパーティ効果」はぜひ取り入れたいテクニック。

読んだ人に「俺(私)のことだ」と思ってもらえるようなメッセージを考えてみましょう。

カクテルパーティー効果の例
  • 個人事業主にはこの時短ツール!無料3選
  • 投資を始めたい社会人に!おすすめ金融商品3選
  • 今の仕事に不安を抱える30代男性が行うべき5つのこと

「カクテルパーティ効果」を活用すれば、興味を持ってもらえる確率が上がるのです。

カクテルパーティ効果とほぼ同じ心理で「バーナム効果」があります。こちらもぜひチェックしてくださいね。

評判が後押しする「バンドワゴン効果」

「バンドワゴン効果」とは、他の人が選んだものを自分も欲しくなる心理を言います。

バンドワゴン効果の例
  • 全米が泣いた
  • 国内シェアNo.1
  • 飛ぶように売れています!
  • 利用者1万人突破

ネット通販の口コミや評価も「バンドワゴン効果」の一種と言えます。「みんなが選んでいるんだから買ってみようかな」「みんな使っているから、これを選べば大丈夫でしょ」と思うのが、人間の心理です。

ただ、「ナンバーワン」など最上級表現は注意が必要です!訴求力が強い表現だからこそ、むやみに使ってはいけないというルールがあります。根拠がない場合、景品表示法違反にあたりますよ。

自分だけのものが欲しくなる「スノッブ効果」

人間は流行に遅れたくない反面、「他の人とカブりたくない」という気持ちも持っています。例えば、自分と友人が同じ服を着ていることに気付いて、恥ずかしかった…という経験、あなたにもきっとあるでしょう。

「自分だけのアイテムが欲しい」「珍しいものが欲しい」、この心理を「スノッブ効果」と言います。具体例を見てみましょう。

スノッブ効果の例
  • 地域限定
  • 数量限定
  • 在庫限り
  • 期間限定
  • 先着◯名様
  • 会員様だけの特別価格

限定することで「買わなきゃ損!」「早く注文しなきゃ!」と思わせるキャッチコピーになります。「スノップ効果」と「バンドワゴン効果」は対照的な効果なので、あわせて覚えましょう。

同じ意味でも印象が違う「フレーミング効果」

「フレーミング効果」とは、つまり「物は言いよう」です。同じことでも言い方によって相手の受け取り方が変わります

  • 1日あたり333円
  • お客様満足度90%超え
  • 果汁20% 
  • 成功率95%
  • 月額1万円
  • クレーム発生10%
  • 果汁以外が80%
  • 失敗率5%

伝え方によって欠点が見えなくなり、売れなかった商品も売れやすくなるのです。

お返ししたくなる「返報性の原理」

「返報性の原理」とは相手からの好意や敵意に対して、“お返し”をしたくなる心理です。

例えば「好きです」と言われてから急に気になり始める…これは「返報性の原理」の一種です。ビジネスに応用すると…

返報性の原理の例
  • 無料お試しをもらったから、買おうかなと思う
  • スーパーで試食品を食べたから、購入したくなる
  • 洋服を試着させてもらうと、買いたくなる
  • セミナーで教えてもらったから、問い合わせしたくなる

実際に商品を使ってもらったり、食べてもらったりすることで“お返し”をしないと…という気持ちにさせているのです。「返報性の原理」をうまく使えば、購買意欲を高めさせることができます。

心理的ハードルを下げる「マッチングリスク意識」

もし商品が自分に合わなかったらどうしよう…」という不安を感じる心理が「マッチングリスク意識」です。この意識は、値段の高い安い関係なく働くと言われています。

「マッチングリスク意識」への対策は、安心材料の提供です。

マッチングリスク意識の例
  • お客様の声や口コミ・☆評価を掲載する
  • 返品・返金対応を保証する
  • 商品の良い点だけでなく、あえて悪い点も伝える
  • 無料でのお試し期間を設ける
  • 長期保証制度をつける

お客様の不安を軽減すると、スムーズに購入へと進んでくれるでしょう。

今買わないと損「プロスペクト理論」

「お金を出して、失敗したらどうしよう…」あなたも一度はこう考えたことがあるはず。

”損したくない”という心理を「プロスペクト理論」と言います。私たち人間は、得するよりも損するほうを避けようとします。

例えば、次の文章でどちらを買いたくなるでしょうか?

  • A:このサービスを使えばコストを15%削減できます。
  • B:このサービスを使わなければ15%余分にコストがかかり続けます。

Bのほうがドキッ!としますよね。他にもこのようなフレーズが有効です。

プロスペクト理論の例
  • 今だけ10%オフ!
  • 先着3名様限定
  • まもなくポイントが失効します
  • 満足頂けない場合は全額返金します
  • 会員になると15%オフ

「プロスペクト理論」をうまく使って、”このままでは損してしまう”とアピールしてみてください。

多すぎると選べない「選択のパラドックス」

歯ブラシを買ったときのことを思い出してみてください。種類が多すぎて自分に合うものが分からず、値段でなんとなく選びませんでしたか?「とりあえず前使っていたものでいいや」と思いませんでしたか?

選択肢が多いほど迷いが生じて、決断に疲れてしまうんです。この心理を「選択のパラドックス」と言います。

比較・検討するのはストレスなので、記事で紹介する商品やサービスは数を絞ってください。おすすめは5〜9個です。

「選択のパラドックス」は「ジャムの法則」とも呼ばれます。名前の由来は、ジャムを使った実験です。

スーパーマーケットでジャムの試食販売を2パターン用意しました。

  • 6種類のジャム
  • 24種類のジャム

6種類のジャムを試食した人の30%が購入しました。
一方、24種類のジャムを試食した人はたったの3%しか購入しませんでした。

24種類もあると、自分に合うジャムを探すのがめんどくさくなったんですね。選択肢が多すぎると、選ぶことも買うこともしなくなるんです。

「おすすめ30選」といった網羅性を狙った記事よりも、「おすすめ7選」と絞り込んだほうが読者にとって買いやすくなる、と言えます。

自分を正当化する「認知的不協和」

「好きなだけ食べてダイエット!」そう書かれていれば、痩せたい人にとっては魅力的ですよね。ですが冷静に考えると、カロリーを気にせず食べれば体重は増えてしまいます。

矛盾を分かっていても「この商品は特別なのかも…」と買ってしまう。この心理を「認知的不協和」と言います。

矛盾から生じる不快感を解消するために、つじつまを合わせようとするのです。マーケティングでは、消費者の「認知的不協和」を解消してあげることで、購入の後押しになります。

あなたにも「これ欲しいけど、ちょっと高いな…。でもやっぱり欲しいな…」と悩んだ経験ありますよね?そんなときに商品が必要な理由や今買うべき理由を知ると「必要だから買う!」に切り替わるでしょう。

認知的不協和の例
  • たまには自分にご褒美をあげよう
  • 今日は記念日だから
  • 少しだけなら大丈夫
  • 頑張って仕事したんだから
  • ストレス解消になるから

理由はほんの小さなものでも構いません。「矛盾する不快感を解消させたい」という心理を活かして、読み手にアプローチしましょう。

お金を出す理由「快楽原則」

快楽を得るため・苦痛を避けるために行動する。この「快楽原則」に突き動かされ、人は商品やサービスにお金を出します。

お客様はどんな苦痛を避けるために、あなたの商品を買うのでしょうか?お客様はどんな快楽を得るために、あなたの商品を買うのでしょうか?

例えば「自分で記事を書くのがイヤだから外注する」は”苦痛を避ける”に当てはまります。お客様の悩みを理解し、きちんと文章でアピールしてください。

顧客理解を深めたいなら、ペルソナを設定するのがおすすめ!こちらの記事ではペルソナ設定シート(無料)をダウンロードできます。ぜひ手順に沿って進めてみてください。

強く印象づける「ピーク・エンドの法則」

テーマパークのジェットコースターで、長い行列に並んだ覚えはありませんか?1〜2時間待ったとしても実際に乗っている時間は5分程度。

それでも「楽しかったね!」と言えるのは「ピーク・エンドの法則」が関係しています。

「ピーク・エンドの法則」とは、最も感情が動いたとき(ピーク)、または出来事が終わったとき(エンド)しか印象に残らない、という心理です。

ホームページで「ピーク・エンドの法則」を活用したいなら、記事の最後に力を入れましょう。まとめ部分(エンド)に伝えたいことを書けば、相手の印象にしっかり残せるでしょう。

あわせて知っておきたいのが「クライマックス法」と「アンチクライマックス法」。

どちらも文章の型なのですが、クライマックス法はピーク(ヤマ場)を最後に、アンチクライマックス法では最初に持ってきます。文章の印象がガラッと変わるので、こちらもチェック!

口コミは強力「ウィンザー効果」

自分で「頭がいい」と言っている人と、まわりから「頭がいい」と言われている人。どちらを信用するかと聞かれれば、まわりから評価されている人ですよね。

「ウィンザー効果」は第三者からの情報を信じるという心理を表しています。口コミやレビュー・お客様の声をできるだけ集めましょう。

たくさん口コミが書かれていれば、それだけでも信頼を獲得しやすくなります。

もっと伝わる「シャルパンティエ効果」

1kgの鉄アレイと、1㎏の羽毛布団がここにあります。同じ1㎏でも、羽毛布団の方が軽そうだと感じませんか?

「鉄アレイは重たい」「羽毛布団は軽い」という先入観を持っているので、鉄アレイの方が重く感じてしまうのです。このように読み手のイメージを利用するのが「シャルパンティエ効果」です。

  • 月会費1,000円
  • レモン10個分のビタミン
  • 東京ドーム1個分
  • 年会費12,000円
  • ビタミン200mg
  • 46,755平方メートル

想像しやすい表現に変えると、ぐっと魅力が伝わります。

「読み手が想像しやすい言葉を選ぶ」という点では、こちらの記事も要チェック!「ソリューション」や「コミット」など、ついカタカナで書いていませんか?読者がスッと理解できるよう、言い換えてみてください。

まとめ

今回は文章で人を動かすために、知っておきたいマーケティング心理を紹介しました。

文章で人を動かすマーケティング心理
  • 禁止されるとやりたくなる「カリギュラ効果」
  • ターゲットの心をつかむ「カクテルパーティ効果」
  • 評判が後押しする「バンドワゴン効果」
  • 自分だけのものが欲しくなる「スノッブ効果」
  • 同じ意味でも印象が違う「フレーミング効果」
  • お返ししたくなる「返報性の原理」
  • 心理的ハードルを下げる「マッチングリスク意識」
  • 今買わないと損「プロスペクト理論」
  • 多すぎると選べない「選択のパラドックス」
  • 自分を正当化する「認知的不協和」
  • お金を出す理由「快楽原則」
  • 強く印象づける「ピーク・エンドの法則」
  • 口コミは強力「ウィンザー効果」
  • もっと伝わる「シャルパンティエ効果」

お客さんの心理を知ることで、お問い合わせや注文・資料請求につなげられます。文章で購買意欲を高めて、ホームページからの受注を目指しましょう。

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