「記事をもっと多くの人に読んでもらいたい」「離脱率を改善したい」と思っていませんか?そんな方に知ってほしいのが「バーナム効果」です。バーナム効果とは、読者に「自分のために書かれた」と感じさせる心理テクニックです。

今回は、バーナム効果のメリット・デメリットや記事に活用する方法を紹介します。読者の心を掴み、ホームページ経由で売り上げを増やすために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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    バーナム効果とは

    占いや性格診断で「当たってる!」と感じたことはありませんか?それがまさにバーナム効果です。この心理現象は、あいまいな記述でも、まるで自分だけに当てはまるように思える不思議な力を持っています。

    まずはバーナム効果の基本情報について確認しましょう。

    バーナム効果の例

    「あなたは社交的で、時に内向的な一面もある」こんな表現、よく見かけますよね。これもバーナム効果の一例です。

    バーナム効果の例
    • 恋愛占い
    • 血液型占い
    • 星座占い
    • 性格診断

    幅広い特徴を述べているため、ほとんどの人が「あ、それ私のこと!」「俺のことだ!」と感じてしまうんですよね。

    名前の由来

    「バーナム効果」のバーナムとは、サーカスを営むフィニアス・テイラー・バーナム氏を指しています。彼が「”we’ve got something for everyone”(誰にでも当てはまる要点がある)」と言ったことから、心理学者ポール・ミールが名づけたそうです。

    また、バーナム効果は「フォアラー効果」とも呼ばれています。こちらは、心理学者バートラム・フォアに由来します。フォアは、人々があいまいで一般的なテキストを、まるで自分のことのように受け取る傾向を発見しました。

    彼の実験では、学生たちに性格診断を渡して「どの程度当たっているか」を評価させました。実は、診断結果は誰にでも当てはまるような文章で、しかも学生全員に同じものを渡していました。それでもほとんどの学生が「自分に当てはまる」と答えたのです。

    他の心理テクニックとの違い

    バーナム効果をより深く理解するために、他の心理現象との違いを知りましょう。

    例えば「確証バイアス」は自分の信念や仮説を支持する情報のみに注意を払い、信念に反する情報は無視する傾向を指します。一方でバーナム効果は、曖昧な情報でも「自分に当てはまる」と錯覚する現象です。似ているようでいて、焦点が異なります。

    「認知バイアス」は、判断や思考における一般的な偏りを指します。バーナム効果も認知バイアスの一種と言えるでしょうが、特に「自分ごと化」としての錯覚に特化しています。

    「プラシーボ効果」は、実際には治療効果のない処置が、患者に心理的な安心感や期待感を与えることで症状の改善をもたらす現象です。バーナム効果は心理的な錯覚ですが、プラシーボ効果は身体的反応の変化と言えるでしょう。

    バーナム効果のメリット

    「この人、私のことわかってる!」そんな風に感じさせることができるのがバーナム効果の大きな魅力です。ビジネスでこの心理技術を使うと、マーケティング効果が格段に上がるんです。

    バーナム効果のメリット
    • 読者から信頼される
    • 文章が書きやすい
    • 購買行動を促せる

    ひとつずつ見ていきましょう。

    読者から信頼される

    「あなたはチームワークを大切にするけれど、時には一人で考えたいときもある、そうですね?」こんなふうに読者の心情を言い当てることができれば、読者は「この人は私のことを理解している」と感じ、信頼を寄せるようになります。

    バーナム効果を活用すれば、たった数行の文章だけで顧客との信頼関係を築けるのです。

    文章が書きやすい

    バーナム効果を活用する前段階として、ターゲット(ペルソナ)を定めます。その結果、訴求ポイントが明確になります。

    例えば、ある記事で「時間管理に悩む中小企業の経営者向け」というターゲットを設定した場合、バーナム効果を用いて「あなたは日々の業務に追われ、時間管理に苦労していますね」という表現を選べばいい、と分かりますよね。

    「何を書けばいいのか迷ってしまう」「書き上げるまでに時間がかかる」という方には嬉しいポイントです。

    購買行動を促せる

    「このサービスはまさにあなたのためにある」というメッセージは読者に強い共感を呼び、読者の心に深く響きます。読者は製品やサービスを試してみたいと思い、実際の購入につながりやすくなるのです。

    例えば「経営者のあなたは日々の業務に追われていて、なかなか自分の時間を取れないですよね」というような文言は、多くの経営者が共感する内容です。こうした共感を喚起すると、読者が解決策として製品やサービスを考えるきっかけになるのです。

    バーナム効果のデメリット

    バーナム効果を利用すると多くの利点が得られますが、その一方でデメリットも存在します。

    バーナム効果のデメリット
    • 不信感を与えかねない
    • 誇大表現になりがち

    バーナム効果を取り入れる前に、注意点を確認しておきましょう。

    不信感を与えかねない

    バーナム効果は読者に不信感を抱かせる可能性があります。なぜなら、この手法はテレビ番組や詐欺などでよく見られるためです。読者は「これは有名な心理テクニックでは?」「誰にでも当てはまるんじゃ?」と思うでしょう。

    注意

    実際に、「バーナム効果」と一緒に検索されるキーワードに「うさんくさい」「うざい」といったネガティブな言葉が含まれています。

    特に、知識の豊富な読者や懐疑的な読者に対しては、バーナム効果を過度に使用すると信頼を失う原因となり得ます。読者との信頼関係を損なわないよう、使うタイミングやシーンを検討しましょう。

    誇大表現になりがち

    バーナム効果を用いる際、製品やサービスの効果を過度に強調してはいけません。例えば「売上減でお困りのあなた!このサービスを使えば、あなたのビジネスは必ず成功します!」といった表現はNGです。
    このような誇張された主張は、消費者の期待を裏切り、最終的には社会的信用を損なう原因となる恐れがあります。

    特に「景品表示法」に違反しないよう注意が必要です。この法律は、誇大広告や不当な表示を禁止しており、違反すると罰則が科されます。企業としての信頼を保ち、長期的な成功を目指すためにも、誠実な表現を心がけましょう。

    景品表示法とは?

    「景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)」とは、商品・サービスの品質、内容などを偽って表示することを禁止する法律です。不当表示は3種類、「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他 誤認される おそれのある表示」です。詳しくは消費者庁の景品表示法 をご覧ください。

    記事でバーナム効果を活用する方法

    読者の注意を引き、最後まで読んでもらうためにどうしたらいいのでしょうか。ここからは、バーナム効果を記事に使うための具体的なポイントを紹介します。

    記事でバーナム効果を活用する方法
    • 主語を「あなたは」にする
    • YESと答えるような質問をする
    • 前向きな言葉を使う
    • 冒頭(導入文)に取り入れる

    主語を「あなたは」にする

    読者に直接話しかけるような言葉を使いましょう。例えば「皆さん」という主語ではなく、「あなたは」「○○で悩んでいる経営者様は」といった、よりパーソナライズされた表現を選びます。

    読者は自分自身のことを言われているかのように感じ、記事の内容に対してより高い関心を持つでしょう。

    YESと答えるような質問をする

    読者に問いかける疑問形を使いましょう。読者に自分ごととして考えさせ、記事の内容に関心を持たせます。
    特に、読者が質問に対して「はい」と答えるような疑問を投げかけると効果的です。

    質問でYESを引き出す
    • あなたは、時間管理に苦労していませんか?
    • 新しいマーケティング戦略を探していませんか?
    • 記事作成に時間がかかって、困っていませんか?

    権威性を高める

    バーナム効果を使っても、ただ読者の状況を当てるだけでは信頼性に欠ける場合があります。そのため、記事の権威性も高めるようにしましょう。経歴や実績をアピールすることで、「この人(この会社)の言うことなら信じてよさそうだ」と読者に思わせることができます。

    「この記事を書いた人(執筆者)」プロフィールを記事上部に載せるのがおすすめです。

    前向きな言葉を使う

    一般的にはネガティブな表現のほうが読者を引き付けると言われていますが、バーナム効果を利用する際はポジティブな表現を選びましょう。例えば「あなたは、今の会社では、自分の才能を生かし切れていないと思っていますね?」のように希望や成功に焦点を当てます。

    前向きな問いかけをして読者の気持ちを高ぶらせ、記事に対するポジティブな反応を促しましょう。

    冒頭(導入文)に取り入れる

    読者の心をつかむために、記事の冒頭でバーナム効果を用いるようにしましょう。最初の部分(導入文)に、読者が自分自身のこととして感じられるような文言を入れます。

    例えば「多忙な経営者のあなた、より効率的な営業ツールを探していませんか?」といったように、読者の日常や悩みに触れ、読者の心に訴えかけます。
    読者の関心を早い段階で引きつけると、記事を最後まで読む確率を高められます。

    まとめ

    バーナム効果は読者に「これ私のことだ!」と思わせる強力な心理テクニックです。この記事では、メリット・デメリットから記事での使い方を詳しく紹介しました。

    読者の心に響く文言を選ぶと購買行動を促せますが、悪用はしないでくださいね!今回学んだバーナム効果を上手に使い、より多くの読者に刺さる記事を書いてみてください。

    バーナム効果以外にもマーケティングに使える心理テクニックはたくさんあります。詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。