「この言葉、漢字がいい?ひらがながいい?」と迷うことはありませんか?
漢字で表現できる言葉をひらがなであらわすことを「ひらく(開く)」と言います。
漢字とひらがなのバランスは「3:7」がよいとされていますが、具体的にどの漢字をひらけばいいのかイマイチわからないんですよね。
そこで今回は、4,000記事以上書いたライターが「漢字をひらく」基準を紹介します。
基準1.読み方が複数ある漢字はひらく
「訳(やく / わけ)」のように同じ漢字なのに、読み方や意味が複数ある言葉はひらきます。
読者が「どっちだろう?」と迷わずに済むので、最後までスムーズに読まれる確率が上がります。
漢字 | ひらく1 | ひらく2 |
---|---|---|
訳 | やく | わけ |
方 | かた | ほう |
辛い | つらい | からい |
行った | いった | おこなった |
一時 | いちじ | いっとき |
下手 | へた | したて |
上手 | じょうず | かみて |
人事 | じんじ | ひとごと |
夫婦 | ふうふ | めおと |
何時 | なんじ | いつ |
生物 | いきもの | せいぶつ |
細々 | こまごま | ほそぼそ |
銀杏 | いちょう | ぎんなん |
臭い | におい | くさい |
開ける | あける | ひらける |
汚れ | よごれ | けがれ |
空いた | あいた | すいた |
止める | とめる | やめる |
基準2.使い分けに迷う漢字はひらく
同じような意味を持つ漢字、使い分けに迷ったらひらがなでOK!
もし読んでいる人が「この漢字違うんじゃない?」と考え始めてしまったら、記事の内容が頭に入らないですよね。
漢字を調べに別のページに飛んでしまうかもしれません。
「どっちの漢字だっけ?」と迷うような漢字は、ひらがなで濁すのもひとつの手ですよ。
ひらく | 漢字1 | 漢字2 |
---|---|---|
かわる | 変わる | 代わる |
かたい | 硬い | 固い |
みる | 見る | 観る |
きく | 聞く | 聴く |
のぼる | 登る | 上る |
あたたかい | 温かい | 暖かい |
はかる | 図る | 測る |
もと | 元 | 本 |
基準3.意味を持たない漢字はひらく
「そんなこと、これまで知らなかった」の「こと」は形式名詞に分類されます。
形式名詞とは、それ自身には実質的な意味がない名詞。
形式名詞はひらがなで表記するのが一般的です。
漢字 | ひらく | 例文 |
---|---|---|
事 | こと | そんなこと、これまで知らなかった |
物 | もの | 人の性格はなかなか変わらないものだ |
時 | とき | 今度あったときに話すよ |
所 | ところ | いまから出かけるところです |
筈 | はず | きっと上手くいくはず! |
通り | とおり | 彼の言うとおりだった |
為 | ため | 何のために生まれて何をして生きるのか |
基準4.丁寧な言葉の漢字はひらく
丁寧な言葉遣いでは漢字を多く使いがち。
特に敬語(謙譲語・尊敬語・丁寧語)を使う文では、漢字とひらがなのバランスが偏りますよね。
しかし漢字が多い文章は「堅苦しい」「難しい」といった印象を与えてしまいます。
最後まで読まれずに離脱されてしまうかも…。
記事では読みやすさを優先して、積極的に開きましょう。
漢字 | ひらく | 例文 |
---|---|---|
予め | あらかじめ | あらかじめご了承ください |
致します | いたします | ご連絡いたします |
下さい | ください | ご確認ください |
頂く | いただく | お越しいただき、ありがとうございます |
御座います | ございます | お越しいただき、ありがとうございます |
及び | および | 乗客および乗務員 |
更に | さらに | さらに効果が期待できます |
尚 | なお | なお、詳細はこちらをご覧ください |
何卒 | なにとぞ | なにとぞよろしくお願いいたします |
宜しく | よろしく | なにとぞよろしくお願いいたします |
後程 | のちほど | のちほどお電話しますね |
尤も | もっとも | ごもっともな質問です |
大変 | たいへん | たいへん長らくお待たせしました |
未だ | いまだ | いまだに返事が来ない |
まとめ:「漢字をひらく」基準を知って、読みやすい文章をすばやく書こう
今回は4,000記事以上書いたライターが「漢字をひらく」基準を紹介しました。
基準1.読み方が複数ある漢字はひらく
基準2.使い分けに迷う漢字はひらく
基準3.意味を持たない漢字はひらく
基準4.丁寧な言葉の漢字はひらく
4つの基準を覚えれば、「この言葉は漢字か?ひらがなか?」と悩む時間が短くなりますよ。
適度に漢字をひらいて、読者に「読みやすい」と思ってもらえる記事を目指しましょう。