同じ意味の言葉を重ねる表現を「重複表現(重言 / 二重表現)」と呼びます。重複表現は文章を冗長にしますし、幼稚な印象を与えてしまいます。
そこで、今回はつい使ってしまいがちな重複表現と言い換え例をまとめました。文章をスッキリとさせ、より効果的に情報を伝えるために、参考にしてみてください。
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後で後悔する
「後悔する」には「後に悔やむこと」という意味が含まれており、「後で」を付け加えると意味が重複してしまいます。
- 後悔する
- 悔やむ
- 悔い改める
- 猛省する
- 自責の念に駆られる
- 後ろ髪を引かれる
- 未練たらたら
- 後ろめたい
- 後悔の念、自責の念
あらかじめ予約する
「予約」は「前もって約束する」という意味で、「あらかじめ」も「事前に」という意味なので重複です。
- 予約する
- アポを取る
- 席を取る
- あらかじめ許可を取る
- 確保しておく
- キープしておく
- 押さえておく
違和感を感じる
「違和感」の「感」と「感じる」が並び、少し幼稚に見えてしまいます。
「違和感を感じる」という表現は一般的によく使われますし、「二重表現ではない」という意見もありますが、できれば言い換えた方がよいでしょう。
- 違和感がある
- 違和感を覚える
- 違和感を抱く
- 不信感を抱く
- 不自然さを感じる
- 妙な感じがする
- どうも引っかかる
- モヤモヤする
- 釈然としない
- 納得できない
- 疑問に思う
今の現状
「現状」という言葉には「今ある状態」という意味なので、「現状」または「今」だけで充分です。
- 現状
- 実情
- 今
- 現時点の状況
- 現在の状態
- 現段階では
- 実際のところ
一番最初
「一番」「最初」「まず」「初めに」いずれも同じ意味です。「一番最初」や「まず初めに」はよく見かける表現なので使ってしまいがちですが、注意しましょう。
- 最初に
- まず
- 一番に
- 初めに
- 第一
- とりあえず
- 真っ先に
いまだに未解決
「いまだに」という言葉には、「今もなお」「まだ」という意味が含まれており、「いまだに」と「未解決」の部分が同じ意味になってしまいます。
- 未解決
- 解決されていない
- まだ解決していない
- 未定
- 不定
- 宙ぶらりん
- うやむや
馬から落馬する
「落馬」という言葉には「馬から落ちる」という意味が含まれています。「馬から」と説明しなくても伝わるため省きましょう。
- 落馬する
- 馬から落ちる
- 馬から転落する
- 馬から滑り落ちる
- 馬に乗っている最中に落下する
炎天下のもと
「炎天下」だけで「強い日差しが降り注ぐ中で」という意味を伝えられるので、「のもと」と組み合わせると冗長です。
- 炎天下で
- 炎天下において
- 酷暑の中で
- 暑さのピーク
- サウナのような暑さの中
お体ご自愛ください
「ご自愛」には「自分の体を大切にする」「健康状態に気を付ける」といった意味があります。つまり「ご自愛ください」だけで充分です。
- ご自愛ください
- お体に気をつけてください
- お体をお労りください
- 健康に気をつけて
- 健康には十分ご留意ください
- 体調を崩さないように
- 一日も早いご回復をお祈りしております
- ご健康とご多幸をお祈り申し上げます
思いがけないハプニング
「ハプニング」という言葉には「予期せぬ出来事」という意味が含まれています。「思いがけない」と合わせると意味が重複してしまいます。
- 突然の出来事
- 予期せぬ出来事
- 予想外の事件
- 想定外の出来事
- ハプニング
- トラブル
- サプライズ
- ウルトラC
- 突発的
- 瓢箪から駒
- 大番狂わせ
- 嬉しい誤算
価格の値上げ
「価格」という言葉には「値段」という意味が含まれているので、「値上げ」と組み合わせると少し違和感がありますね。
- 価格の上昇
- 値段が上がる
- 価格が上がる
- 値上がり、値を上げる
- 吊り上げ
- 急騰、高騰、騰貴
- インフレ、インフレーション
- 値段が跳ね上がる
- うなぎのぼり
過半数を超える
「過半数」は「全体の半分より多い数(半分を超えている)」という意味です。よく使われる表現ですが正しくは「半数を超える」です。
- 半数を超える
- 過半数に達する
- 過半数を占める
- 半数以上
- 大多数を占める
- (賛成 / 反対が)多数派
- 大概の人は
- ○○が一般的
- 一般論
- 主流
- という見方が有力
必ず必要
「必要」という言葉には、漢字の通り「必ず要する」という意味が含まれています。「必ず」を付け加えなくても「必要」だけでOKです。
- 必要
- 必須
- 不可欠
- 欠かせない
- 義務
- 入用
- 必然
- 必需品
- 肝心
従来から
「従来」は「これまでずっと」「以前から今まで」という意味のため、「から」は省略できます。
- 従来
- 以前から
- これまで
- 今までは
- 古くから
- 古来、古来より
- 過去には
- かねて
- 長年
- 往年
受注を受ける
「受注」には「注文を受けること」という意味なので、「受ける」と組み合わせると冗長になってしまいます。
- 注文を受ける
- 注文をうかがう
- 受注する
- オーダーを受ける
- お受けする
- 請け負う
- 従事する
- 売買
- 契約
- 取引する
- 引き受ける
頭痛が痛い
重複表現として代表的な例ですね。「頭痛」そのものが「頭が痛い」ことを指しており、冗長な表現となっています。
- 頭痛がひどい
- 頭痛が激しい
- 頭が痛い
- 頭が割れるように痛い
- 頭痛に苦しむ
- 頭痛に悩まされる
- (頭が)ガンガン、ズキズキする
- 鈍痛
- 頭に響くような
- 頭が割れるような
全て一任する
「一任」という言葉には「全て任せる」という意味が含まれています。「全て」は言わなくても通じます。
- 一任する
- 全て任せる
- 託す
- 委任する
- 委託する
- すべて委ねる
- 丸投げ
- 他力本願
- おんぶに抱っこ
- バトンタッチ
- 人任せ、あなた任せ
ダントツの一位
「ダントツ」自体が一位であることを強調する表現(=断然トップ)であるため、「の一位」は省略できます。
- ダントツ
- 圧倒的な一位
- 首位独走
- 圧勝
- 完勝
- 他を大きく引き離して
- 大差をつけて
- 他を寄せ付けない
- 抜きんでた
- ブッチギリの
- 向かうところ敵なしの
- 完膚なきまでに打ちのめす
捺印を押す
「捺印」は「印鑑を押す」という意味です。「を押す」部分は不要です。
- 捺印する
- 押印する
- 印鑑を押す
- ハンコを押す
- 調印する
- 割り印
- 血判、朱印
- サインする
年内中に
「年内」は「1年の終わりまでに(1年の期間中に)」という意味なので、「年内に」だけで十分です。
- 年内に
- 1年間のうちに
- 12月末までに
- 今年いっぱい
- 年内いっぱい
- 大晦日まで
はっきりと明言する
「明言する」には「はっきりと言う」という意味が含まれています。どちらかの表現を削りましょう。
- はっきり言う
- 明言する
- 明確に述べる
- 言い切る
- 言い張る
- 確信する
- 断言する
- 宣言
- 主張
- 表明
- 力説
- 歯に衣着せず
- 単刀直入
- ずばりと言う
- ずけずけと言う
広く普及する
「普及」は「広く行き渡ること」という意味なので、「普及する」だけで十分です。「一般化」「一般的になった」などに言い換えるのも分かりやすくておすすめです。
- 普及する
- 広まる
- 浸透する
- 広く受け入れられる
- 根を下ろす
- 拡散
- 伝播
- 大衆化
- 一般化、普遍化
- 定着
- 一般的
- 流行、流通
- 蔓延
犯罪を犯す
「犯罪」という言葉には「罪を犯す」「犯した罪」という意味が含まれています。「犯す」以外の表現を使いましょう。
- 罪を犯す
- 違法行為、不法行為
- 法律に違反する行為
- 犯罪を行う
- 犯罪に手を染める
- 違反、違犯
- 悪業、悪行
- 非合法
- 不祥事
- スキャンダル
返事を返す
「返事」には「答える言葉」「返答」という意味が含まれているため、「返す」を付け加えなくても意味が通じます。
- 返事する
- 返答する
- 答える
- 応答する
- 回答、返答
- 相槌、相づち
- 受け答え
- レス、レスポンス
- リアクション
約○○程度
「約」「程度」はどちらも「おおよそ」という意味です。「だいたい〇〇くらい」も同じ意味の言葉を重ねてしまっているので、どちらかを削除してスッキリさせましょう。
- 約○○
- ○○程度
- ○○くらい
- ○○前後
- ○○ほど
- おおよそ、概ね
- ○○そこそこ
- ほぼ、ほとんど
- 大体、だいたい
- 概算で
- ざっと計算して
連日暑い日が続く
「連日」は「毎日」「何日も続く」という意味のため、「続く」と組み合わせると重複表現になってしまいます。
- 毎日、毎日毎日
- 来る日も来る日も
- ○○の日が続く
- 連日、連日連夜
- ぶっ続けで
- 途切れなく、絶え間なく
まとめ
「重複表現」は文章がまわりくどくなる上に幼稚な印象を与えてしまうため、避けたい表現です。知らずに使ってしまっていた言葉も多かったのではないでしょうか。
ぜひ、今回紹介した内容を参考に、より洗練された文章を作成してみてください。自分でチェックしても見逃してしまいがちなので、文章構成ツールを使うのもおすすめですよ!