「私の文章、日本語的に合ってる…?」「この言葉、この使い方でいいんだっけ…?」文章の校正・推敲が重要だということは多くの人が認識しているにも関わらず、実際に行うのは難しいものです。

そこで今回は、現役ライターが「読んでよかった!」と思った、校正・推敲を学べる7冊を紹介します。自分で記事を書く経営者・サイト運営者は、ぜひ参考にしてみてください。

リンキープス   ライター兼コンサル

これまで書いた記事は2,500以上、上位10位以内 獲得多数。
「ウェブ解析士」の資格を持っているため、執筆から検証まですばやくPDCAを回せます。

集客・売上UPのため、文章にとことんこだわります!
記事で悩んでいる方はぜひご相談ください。

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    例文がたくさん!『熟練校閲者が教える 間違えやすい日本語実例集』

    こんな人におすすめ
    • 難しい本はあまり好きじゃない
    • とにかく具体例をたくさん知りたい
    • 正しい表現を選べるようになりたい

    表現の間違いは自分ではなかなか気づけませんよね。わざわざ指摘してくれる人もあまりいないため、間違ったまま覚えてしまうケースがよくあります。

    この本では間違えやすい表現を紹介し、「どこを修正すべきか」「なぜ修正すべきか」を説明してくれます。例えば、こちらの文章を見てください。

    ●「消費税の見直し論議は一率一〇パーセントへ引き上げの方向という」

    熟練校閲者が教える 間違えやすい日本語実例集 (講談社文庫)』講談社校閲部著

    パッと見「どこが間違っているの?」と思うかもしれませんが、この場合「一率」ではなく「一律」が正しい表現です。解説を読む前に、一回自分で考えてみると楽しいですよ。

    読みやすい&分かりやすい『日本語文章チェック事典』

    著:石黒 圭, 編集:石黒 圭
    ¥1,980 (2024/03/25 12:24時点 | Amazon調べ)
    こんな人におすすめ
    • 読みやすい、分かりやすい本を探している(この本はビフォー・アフターで解説)
    • 上司へのメールなどビジネスで赤っ恥をかきたくない
    • 古臭い内容は嫌だ(この本は2021年発売。比較的新しい)

    学生時代に国語の授業は受けていたものの、”正しい書き方”は教わっていないですよね。

    自己流で書いていると、誤った日本語や望ましくない表現を使ってしまいがち。「このまま公開して大丈夫だろうか」「この言い方で読者を不快な気持ちにさせないだろうか」ーそんな不安を感じる方におすすめなのが『日本語文章チェック事典』です。

    例えば「偏った語感をもつ語の避け方」では、特定の性別をイメージさせる言葉と、その言い換えについて学べます。

    「女刑事」「女流作家」といった言い方もメディアでは見かけますが、「男刑事」「男流作家」という語は見かけないことから、刑事や作家も男性の職業だという意識を含んだ表現であることがわかります。

    石黒 圭(2021年) 『日本語文章チェック事典』 p.70-71 東京堂出版

    この本では他の本ではあまり触れられないような細かい部分(外来語の使い方やオノマトペの使い方)まで解説されています。

    目次
    • 1章 表記(記号、文字)
    • 2章 語彙(和語・漢語、外来語、形容詞・副詞)
    • 3章 文体(キャラ・役割語、レジスター、敬語・ポライトネス)
    • 4章 文法(助詞・文型、文末表現、複文・連体修飾節)
    • 5章 文章(指示・結束性、接続詞、文章構成・のだ文)
    • 6章 修辞(比喩、オノマトペ・感覚表現、おかしみ・ユーモア)

    合計384ページのため厚みはあるのですが、分かりやすいのでサクサク読めますよ。

    Webライターの必読書『記者ハンドブック』

    こんな人におすすめ
    • 新聞・メディアと同じレベルの正確な書き方を知りたい
    • ライターや編集者が参考にするような、実践的な本がいい
    • 辞書のように、言葉を調べられる本が欲しい

    文章を書いていて「この表現、合ってる…?」と不安になることはありませんか?『記者ハンドブック』は間違えやすい言葉の使い分けについて丁寧に解説されていて、とても勉強になります。

    書籍タイトルだけを見ると「記者向けかな?」と思いがちですが、メディア関係者・ライターのみならず文章を書く人全般におすすめできます。

    主な内容
    • 漢字・仮名遣い
    • 「ぢ」「じ」、「づ」「ず」の使い分け
    • 誤りやすい語句
    • 差別語、不快用語
    • 日時・地名・人名・年齢の書き方
    • 紛らわしい地名、社名
    • 紛らわしい法令関連用語
    • 外来語・片仮名語用例集

    1,000ページ超の大ボリューム『毎日新聞用語集2020年版』

    こんな人におすすめ
    • 新聞レベルの正確な表現を学びたい
    • 何冊も買いたくない。1冊でカバーしてくれる本がいい
    • 言葉を検索できるように、電子書籍で探している

    『毎日新聞用語集2020年版(Kindle版のみ)』は、毎日新聞社が使用する表記ルールを網羅。用字用語の正しい意味や使い分け、間違えやすい漢字、誤りやすい表現、さらには外来語や外国地名に至るまで幅広く掲載しています。なんと1,119ページもあるんですよ!

    例えば「里帰り」という単語について。

    里帰り →元来は結婚した女性が初めて実家に帰ることだが、比喩として使うことが多い。国外に流出した美術品が展覧会のために一時的に帰ってきたようなときに使われるが、買い戻されて帰ってきた場合など一時的でないことに使うのは適当でない

    『毎日新聞用語集2020年版』毎日新聞社著

    文章を書く際に「これで正しかったかな?」と迷った時、確認のための一冊として役立ちます。プロのライターはもちろんコラム記事を書く方々にも、正確性を高めるための強力なサポートとなるでしょう。

    歴25年のノウハウ『通りすがりの編集者ですが、ちょっと校正してもいいですか?』

    こんな人におすすめ
    • 自分で推敲するための考え方を学びたい
    • プロの編集者の改善例を知りたい
    • 読みやすい本がいい

    『通りすがりの編集者ですが、ちょっと校正してもいいですか?』の著者は、25年以上にわたり書籍の編集を手がけてきました。日々の生活で出会うさまざまな文章を題材に、より伝わる文章へと改善するための考え方やテクニックをわかりやすく伝授してくれます。

    例えば助詞の「の」。便利な言葉ですが、連続してしまうと意味が分かりにくくなるうえに、幼稚な印象を与えてしまいます。

    別のさまざまな言葉に置き換えることができる「の」は、多用すると日本語としての美しさやリズムが崩れるだけでなく、使い方によっては1つの文に複数の解釈を生む原因にもなります。

    『通りすがりの編集者ですが、ちょっと校正してもいいですか?: 主語と述語のねじれが気になる 他』樹園 伊緒著

    文章校正・推敲のスキルを高めたい方は、この機会にプロ編集者の考え方をのぞいてみましょう。

    記事を書く前の段階から教えてくれる『文章手帖』

    こんな人におすすめ
    • 文章を書く上でのルールが知りたい
    • 簡潔にまとまっている本がいい
    • 初心者向けの本を探している

    『文章手帖』は書き始める前のターゲット設定から学べるので、記事を書くのがほぼ初めてという人に読んでほしい本です。

    「Chapter3 文章のルール」からは、実際に文を直す練習に入ります。例えばこちらの文章、どこを直すべきでしょうか?

    仕入れた材料は安全に管理され、店舗で調理して販売しています。

    文章手帖: 一生役に立つ!文章の基礎をたのしく学べる本【校正・推敲早見表付】 

    文の途中で主語が変わっている、いわゆる”ねじれ”状態です。

    仕入れた材料は安全に管理し、店舗で調理して販売しています。

    このように直せば、一貫して「人(店舗)」が主語となり、ねじれは解消されます。どこで分かりにくくなっているのか、どのように直せばよいのか、とても分かりやすく書かれていますよ。

    主な内容
    • Chapter2 文章を書く準備(過程を知る、材料を知る)
    • Chapter3 文章のルール(主語と述語がオカシイ、係り受けがオカシイ、読点の打ち方がオカシイ)
    • Chapter4 文章の洗練(スッキリさせたい!、リズムをよくしたい!、読み手を惹きつけたい!)

    読者との衝突を回避『言葉のアップデート術』

    こんな人におすすめ
    • 炎上はできれば避けたい
    • 記事(文章)でお叱りを受けたことがある
    • 記事やSNSの投稿を担当している

    実は、校正の本ではないのですが、ぜひ読んで欲しい!「その文章を公開してトラブルは起きないか?」「読者に反感を持たれることはないか?」という視点から、伝え方の大切さを説いています。

    特に「1ノ型 デカい主語から、小さい主語へ。」という章は要チェック。「Z世代は」「最近の若者は」「女性(男性)は」といった表現が、どのように誤解やトラブルを引き起こす可能性があるのかを具体例を交えて解説しています。

    Z世代は他の世代に比べて、相対的にエシカルな感覚の持ち主とは言えそうですが、すべて同じだと断定する根拠は薄いと言わざるを得ないでしょう。 「Z世代は私たちとは違う、新しい世代」という漠然としたイメージに踊らされると、事実と乖離した認識や発言をしてしまうことになります。   AFTERのように、「 Z世代にはエシカルな考え方をする方が増えている」という程度の言及が適切でしょう。

    『言葉のアップデート術』小竹海広著

    相手が見えない文章だからこそ、一言一句、慎重に。言葉の選び方ひとつで、コミュニケーションの質が大きく変わることを実感できるはずです。

    まとめ

    今回は校正・推敲を学べる書籍を厳選して紹介しました。文章校正・推敲に”絶対的な正解”はありませんが、より魅力的で読みやすい文章を書くヒントになるはずです。

    ぜひこの機会に文章校正・推敲の技術を身につけ、サイト運営に役立ててみてください。「本で勉強してもなかなか覚えられないよ!」という人は、文章校正ツールを活用するのもおすすめですよ!