文章の校正・推敲が重要だということは、多くの人が認識しているにも関わらず、実際に行うのは難しいものです。
そこで今回は、現役ライターが「読んでよかった!」と思った、校正・推敲を学べる4冊を紹介します。
自分で記事を書く経営者やライターに外注するWeb担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
『熟練校閲者が教える 間違えやすい日本語実例集』
表現の間違いは自分ではなかなか気づけませんよね。
わざわざ指摘してくれる人もあまりいないため、間違ったまま覚えてしまうケースがよくあります。
この本では間違えやすい表現を紹介し、「どこを修正すべきか」「なぜ修正すべきか」を説明してくれます。
例えば、こちらの文章を見てください。
「●「消費税の見直し論議は一率一〇パーセントへ引き上げの方向という」」
—『熟練校閲者が教える 間違えやすい日本語実例集 (講談社文庫)』講談社校閲部著
パッと見「どこが間違っているの?」と思うかもしれませんが、この場合「一率」ではなく「一律」が正しい表現です。

解説を読む前に、一回自分で考えてみると楽しいですよ。
『日本語文章チェック事典』
学生時代に国語の授業は受けていたものの、”正しい書き方”はあまり教わっていないような気がします。
自己流で書いていると、誤った日本語や望ましくない表現を使ってしまいがち。
「このまま公開して大丈夫だろうか」「この言い方で読者を不快な気持ちにさせないだろうか」ーそんな不安を感じる方におすすめなのが『日本語文章チェック事典』です。
例えば「偏った語感をもつ語の避け方」では、特定の性別をイメージさせる言葉と、その言い換えについて学べます。
「女刑事」「女流作家」といった言い方もメディアでは見かけますが、「男刑事」「男流作家」という語は見かけないことから、刑事や作家も男性の職業だという意識を含んだ表現であることがわかります。
石黒 圭(2021年) 『日本語文章チェック事典』 p.70-71 東京堂出版
この本では他の本ではあまり触れられないような細かい部分(外来語の使い方やオノマトペの使い方)まで解説されています。

合計384ページのため厚みはあるのですが、分かりやすいのでサクサク読めますよ。
『記者ハンドブック』
文章を書いていて「この表現、合ってる…?」と不安になることはありませんか?
『記者ハンドブック』は間違えやすい言葉の使い分けについて丁寧に解説されていて、とても勉強になります。
書籍タイトルだけを見ると「記者向けかな?」と思いがちですが、メディア関係者・ライターのみならず文章を書く人全般におすすめできます。
『文章手帖』(Kindle Unlimited)
『文章手帖』は書き始める前のターゲット設定から学べるので、記事を書くのがほぼ初めてという人に読んでほしい本です。
「Chapter3 文章のルール」からは、実際に文を直す練習に入ります。
例えばこちらの文章、どこを直すべきでしょうか?
仕入れた材料は安全に管理され、店舗で調理して販売しています。
文章手帖: 一生役に立つ!文章の基礎をたのしく学べる本【校正・推敲早見表付】
文の途中で主語が変わっている、いわゆる”ねじれ”状態です。
仕入れた材料は安全に管理し、店舗で調理して販売しています。
このように直せば、一貫して「人(店舗)」が主語となり、ねじれは解消されます。
どこで分かりにくくなっているのか、どのように直せばよいのか、とても分かりやすく書かれていますよ。
まとめ
今回は校正・推敲を学べる書籍を紹介しました。
文章校正・推敲に”絶対的な正解”はありませんが、より魅力的で読みやすい文章を書くヒントになるはずです。
ぜひこの機会に、文章校正・推敲の技術を身につけ、サイト運営に役立ててみてください。