「読点(、)が多くて読みにくい…」と思った経験、あなたにもあるでしょう。ただ、書く側になると、どこで読点を使えばいいのかよく分からないですよね。

そこで今回は現役ライターが、読点(、)の打ち方ルールを紹介します。

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    文の区切りで打つ

    読点の役割は「文の区切りを示すこと」です。文と文を分けるところに使うのが前提です。

    特に注意したいのが「重文(じゅうぶん)」つまり、主語と述語が2つ以上含まれた文。読点をつけないと「誰が」「何をした」が分かりにくくなってしまいます。

    『桃太郎』の一文で確認してみましょう。

    • おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
    • おじいさんは山へ柴刈りにおばあさんは川へ洗濯に行きました。

    読点がないと「おじいさんが何をして」「おばあさんが何をした」のか、理解が一瞬遅れます。でも、文と文の区切りに読点を打つと、内容がグッと分かりやすくなりますよね。

    主語のあとに打つ

    文章は主語と述語がハッキリしていると分かりやすくなります。特に主語が長い場合、「誰が(何が)」のあとに読点をつけるのがおすすめです。

    • 私の英語力の素地を作ってくれたのは、何といっても中学校の英語教師です。
    • 私の英語力の素地を作ってくれたのは何といっても中学校の英語教師です。

    読点がついているほうが、パッと見て主語を理解できますよね。

    ただし、主語が短い場合は読点を入れないほうが読みやすいです。

    • 手紙が届いた。
    • 私は本が好きです。
    • このリンゴは美味しい。

    主語が短く述語が近くにある文章では、関係性が明確です。主語が10文字を超えないなら読点にこだわらなくてよいでしょう。

    接続詞・接続助詞のあとに打つ

    接続詞・接続助詞のあとには読点を使うのがおすすめです。読点を打つことで接続詞・接続助詞に続く文が強調され、インパクトのある文章になります。

    接続詞の例

    接続詞は「すると」「しかし」など、文章をつなぐ語句です。

    • ツナ缶を開けた。すると、寝ているはずのネコの耳が反応した。
    • ツナ缶を開けた。しかし、ネコは寝ているからか気づかない。
    • ネコは耳が良い。たとえば、寝ているときでもツナ缶を開ける音に反応する。
    • 寝ているネコはツナ缶に反応するのか。それとも、眠り続けるのか。

    接続助詞の例

    接続助詞は「〜ば」「ので」などがよく使われます。接続詞の場合、単体でも意味が通じますが、接続助詞は「それだけでは意味をなさない」という違いがあります。

    • 雨が降れば、運動会は中止だ。
    • 雨が降ったので、運動会は中止だ。
    • 雨が降っても、運動会はやるらしい。
    • 雨が降ったが、運動会はやるらしい。

    誤解しやすい場所で打つ

    誤解を招く可能性がある文章では、正しく理解してもらうために読点を使います。どういうことか、次の2つの文を比較してみましょう。

    • 彼女は、顔を真っ赤にして玄関から出ていく彼を見つめた。
    • 彼女は顔を真っ赤にして、玄関から出ていく彼を見つめた。

    2つの文は読点の位置が違うだけですが、意味はまるで違いますよね。顔を真っ赤にしたのは彼なのか、彼女なのか、正しく伝えるには読点の位置が重要です。

    読み手に正しく理解してもらうために、適切な場所に読点を打ちましょう。

    ひらがなが続くときに打つ

    ひらがなが続くときは、読点を使わないと理解しにくくなります。例えば、この文章を見てください。

    • しかしもっとこうだったら使いやすいのに…と思ってしまった。

    パッと見て「ん?!」と思ったのではないでしょうか。ひらがなが何文字も続いてしまうと、単語の区切りが分からず理解が遅くなるのです。

    読点を打つとグッと分かりやすくなりますよね。

    • しかし、もっとこうだったら使いやすいのに…と思ってしまった。

    8文字以上ひらがなが続く場合は、語句と語句の合間に読点を使ったほうが無難です。

    1文に2個までにする

    読点は文章を読みやすくしますが、多すぎると逆効果になります。

    • 茶色くて、目の可愛い、大きな、ぬいぐるみをもらった。

    意味は分かりますが、短い間隔で読点が打たれているためリズムが狂います。文章を読む人は心のなかで音読しているため、何度も流れが止まることはストレスになります。

    そこで、読点の数を減らしてみましょう。

    • 茶色くて目の可愛い、大きなぬいぐるみをもらった。

    自然なリズムで読みやすいですよね。目安として、読点は1文に2個まで。それ以上読点をつけたくなったら、文章を分けたほうがよいでしょう。

    「」の前には打たない

    読点は「」(かぎかっこ)の前には使わないほうが無難です。

    読点があるバージョンと無いバージョンを比較してみましょう。

    • 年初に「毎日ホームページを更新する!」と目標を立てたが、挫折してしまった。
    • 年初に、「毎日ホームページを更新する!」と目標を立てたが、挫折してしまった。

    これは好き嫌いが分かれるのですが、ライター目線から言うと読点がないほうがおすすめです。迷ったら音読してみて、読点をつけるか外すか判断しましょう。

    まとめ

    今回は現役ライターが、読点(、)の打ち方ルールを紹介しました。

    読点の打ち方ルール
    • 文の区切りで打つ
    • 主語のあとに打つ
    • 接続詞・接続助詞のあとに打つ
    • 誤解しやすい場所で打つ
    • ひらがなが続くときに打つ
    • 1文に2個までにする
    • 「」(かぎかっこ)の前には打たない

    読点の使い方によって、文章はグンと変わります。「あまりよく考えずに読点を使っていた」という方はぜひ意識してみてください。

    他にも校正・推敲のルールを知りたい方は書籍がおすすめです。以下の記事で9冊ピックアップしたので、一度読んでみてはいかがでしょうか。