記事を作成しても、「最後まで読まれない」「共感を得られない」「拡散されない」といった課題に直面している方は少なくありません。
そんな時、あなたの強力な味方となるのが「プルチックの感情の輪」です。
この理論は、心理学者のロバート・プルチック氏が気持ちを言語化したものです。

読者を引き込む文章を書くためのコツは、この感情の輪を活用すること。
そこで今回では、プルチックの感情の輪の概要と、文章に取り入れるポイントを解説します。
文章で人を動かすために、ぜひチェックしてみてください。

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    プルチックの感情の輪とは

    心理学者のロバート・プルチック氏は、人の感情を「感情の輪(Wheel of Emotions)」として分類しました。
    このプルチックの感情の輪について、概要を確認していきましょう。

    8つの基本感情

    人間の感情は多様ですが、ロバート・プルチック博士によると、8つの基本的な感情(基本感情 / 純粋感情)が存在します。

    感情の種類説明
    喜びポジティブな感情で、達成や愛情・つながりなどから生まれます。この感情が強くなると、人はより積極的に行動し、社交的になります。
    信頼安心感や信義に基づく感情です。信頼が築かれると、人々はより協力的になり、良い関係を維持できます。
    恐れ危険や不確実性に対する反応です。この感情が働くと、自衛本能が高まり、危険から逃れようとする行動を取ります。
    驚き未知や予想外の出来事に対する感情です。この感情は好奇心を引き出し、新しい情報や経験に対する探究心を高めます。
    悲しみ失望や損失に対する反応です。この感情が強いと、人は内向きになり、自己反省の時間を持つことが多くなります。
    嫌悪不快な物や事態から距離を取りたくなる感情です。この感情が働くと、防衛本能が高まり、不快な状況から避ける行動を取ります。
    怒り不公平や不正に対する感情です。この感情は行動を促し、問題を解決する力を与えることがあります。
    期待未来の出来事に対する楽観的な見方や希望です。期待感があると、人は計画を立てやすく、前向きな行動を取る傾向があります。

    感情の強弱によって16種類に分類

    それぞれの感情には「強弱(濃淡)」があります。
    例えば「喜び」なら、より強い感情として「恍惚」、弱い感情として「平穏」で表現できるとされています。

    一つ一つの基本感情がグラデーションを持ち、合計16種類あります。

    より強い感情基本感情より弱い感情
    恍惚喜び平穏
    敬愛信頼容認
    恐怖恐れ不安
    驚嘆驚き放心
    悲嘆悲しみ哀愁
    憎悪嫌悪退屈
    激怒怒り苛立ち
    警戒期待関心

    感情の強弱を理解するとより繊細な心の動きを読み取れるようになり、共感を得る文章が書けるのです。

    プルチックの感情の輪を文章に活用するには

    プルチックの感情の輪についてざっくりと理解したところで、次は文章に取り入れるにはどうしたらいいかを考えていきましょう。
    3つのポイントを紹介します。

    より強い感情で読者を引きつけよう

    感情には強弱があると先述しました。
    例えば基本感情「信頼」では、より弱い感情は「容認」、より強い感情は「敬愛」となります。
    文章を書く上で、プルチックの感情の輪の中でも「より強い感情」に注目しましょう。

    より強い感情
    • 恍惚
    • 敬愛
    • 恐怖
    • 驚嘆
    • 悲嘆
    • 憎悪
    • 激怒
    • 警戒

    強い感情が含まれた文章は読者を引き込み、記憶に残りやすくなります。

    例えばミステリー小説であれば「恐怖」を用いることで読者の興味を引きます。
    単に「不安な状況」ではなく、「命がけの緊迫した状況」を描き、読者の心をグッとつかむのです。

    ビジネスでも同様です。
    「不安を解消できる商品」を提案するよりも、「この商品なら恐怖を回避できそう」というような話の展開にすると、より印象に残る文章になります。

    ポジティブよりネガティブな感情を選ぶ

    人はポジティブな感情よりネガティブな感情に強く反応します。

    それは、生物学的な防衛本能に起因するとされています。
    ネガティブな感情は通常、危険や問題を示すため、注意を引きやすいのです。

    記事執筆においては、「悲しみ」「怒り」といった感情を取り入れることで読者の共感を引き出しやすくなります。

    ネガティブな感情
    • 恐れ(恐怖、不安)
    • 悲しみ(悲嘆、哀愁)
    • 嫌悪(憎悪、退屈)
    • 怒り(激怒、苛立ち)

    例えば、社会問題に関する記事を考えてみましょう。
    事実と解決策が述べられているだけよりも、「この問題が解決しなければどれだけ多くの人が悪影響を受けるか」といった恐れや憎悪に訴える内容の方が、多くの人々を動かす力を持つ可能性が高いです。

    より多くの人々の注意を引き、強く印象に残るコンテンツを作るために、ネガティブな感情を言語化してみましょう。

    複雑な感情(混合感情)でよりリアルに共感を呼ぶ

    プルチックの感情の輪では、基本感情が8種類だと紹介しましたが、実際にはより多層的で複雑ですよね。
    悲しみと怒りが交錯するときなど、自分でも気持ちがよく分からないケースも存在します。

    プルチックはこのような二つの基本感情の組み合わせもあるとして、「混合感情」「応用感情」「ダイアド」と読んでいます。

    混合感情基本感情の組み合わせ
    罪悪感喜び + 恐れ
    絶望恐れ + 悲しみ
    嫉妬悲しみ + 怒り
    自尊心怒り + 喜び
    好奇心信頼 + 驚き
    不信感驚き + 嫌悪
    皮肉嫌悪 + 期待
    希望期待 + 信頼

    例えば、小説で主人公が成功した後に罪悪感(喜び+恐れ)を感じるシーンがあると、読者はその複雑な心情に強く共感するでしょう。
    また、主人公が愛する人と別れ、その後に絶望(恐れ+悲しみ)や嫉妬(悲しみ+怒り)を感じる瞬間が描かれていれば、読者はそのリアルな心の動きに引き込まれます。

    このように、複雑な感情をうまく表現すると、読者は登場人物や状況に深く感情移入し、コンテンツ自体が持つ訴求力が高まります。
    もちろん、どの混合感情が最も効果的かはテーマ性や目的によって異なるため、工夫してみてくださいね。

    まとめ

    今回は、プルチックの感情の輪について分かりやすく解説しました。
    感情の輪を活用すると、よりリアルな人間の感情を文章に反映できるため、読者の共感を呼べます。
    特に、より強い感情やネガティブな感情、さらには混合感情を組み合わせると、説得力のある文章や引き込むストーリーを作成できるでしょう。

    感情は人々を動かす大きな要素です。
    ぜひ、プルチックの感情の輪を活用し、人を動かす文章を書いてみてください。