「〜することができる」というフレーズは冗長表現で、言い換えたほうがいいとはよく聞きますよね。「でも、別の言い方が思いつかない」と困ってしまう方も多いのでは?

そこで今回は、「〜することができる」のさまざまな言い換え表現を例文とともに紹介します。もっとスッキリ、わかりやすい文章にするために、ぜひチェックしてみてくださいね。

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    「〜することができる」はおかしい?

    「〜することができる」は文法的には何の問題もありません。ただし、記事(文章)では「ちょっと回りくどい」などネガティブに感じる方も少なくないようです。

    「〜することができる」の良い面・悪い面をまとめてみました。

    • 文法的には間違っていない
    • 書く側としては使いやすい
    • 誤解を防げる(可能表現に変えると、尊敬語に見えるケースもある)
    • 翻訳文のような堅苦しさ
    • 話し言葉向き。書き言葉だと違和感
    • メッセージが理解しにくい
    • 文字数を意図的に増やしてる?

    記事・ブログでは、「〜することができる」ではなく、もう少し簡潔で直接的な言い回しを選んだほうがよいでしょう。メッセージが明確に伝わり、文章全体の読みやすさも向上しますよ。

    「〜することができる」の意味をおさらい

    「〜することができる」の言い換えをしたいなら、先に意味を確認しましょう。意味を把握していたほうが、適切な代替表現を見つけやすいためです。

    「〜することができる」には、大きく分けて2つの意味があります。

    「〜することができる」2つの意味
    • 能力的に可能
    • 権利や許可がある

    どちらの意味として使っているのか確認してみてくださいね。

    能力的に可能

    まずは「特定の行為が技術的または物理的にできる」という意味です。「彼はピアノを弾くことができる」では、彼にはピアノを弾く技術や能力がある、と表したいのですよね。

    能力的に可能
    • 彼はピアノを弾くことができる
    • Aさんは高速でタイピングすることができる
    • 彼女は複雑な数学の問題を解くことができる
    • 私は長距離を走ることができる

    権利や許可がある

    もうひとつは「特定の行為をする権利がある、または許可されている」という意味です。「(権利があるので)してもしなくても、どちらでもよい」といったニュアンスも含みます。

    例えば「彼女はその部屋を使うことができる」なら、彼女はその部屋を使う権利や許可を持っている、とも言い換えられます。

    権利や許可がある
    • Bさんはその部屋を使うことができる
    • 管理職はその書類にアクセスすることができる
    • 学生は図書館の特別資料を閲覧することができる
    • 彼女は会社の車を運転することができる

    「〜することができる」の言い換え表現

    「〜することができる」の意味を理解すれば、代替表現も思いつきやすいですよね。ここからは具体的な言い換え表現と例文を紹介していきます。

    可能

    「可能」という言葉は、「〜することができる」のより簡潔な言い換えとして代表的ですね。

    例えば「彼は英語を話すことができる」を「彼は英語を話すこと(英会話)が可能だ」と言い換えると、文章がスッキリしますね。

    〜することができる可能
    彼は英語を話すことができる。彼は英語を話すこと(英会話)が可能だ。
    彼女はお酒を飲まないので車を運転することができる。彼女はお酒を飲まないので車の運転が可能だ。
    明日には、目標を達成することができる。明日には、目標を達成可能だ。

    〜できる

    「〜することができる」の「することが」は、ほとんどのケースで省略できます。

    例えば「彼は高速でタイピングすることができる」を「彼は高速でタイピングできる」と言い換えます。このほうがスッと理解できますよね。

    〜することができるできる
    彼は高速でタイピングすることができる。彼は高速でタイピングできる。
    彼女は素晴らしい演奏をすることができる。彼女は素晴らしい演奏ができる。
    久しぶりに旅行することができる!久しぶりに旅行できる!

    〜られる

    「〜られる」という形は、「〜することができる」の言い換えとしてよく使われますね。

    話し言葉(口語)としては定番、親しみやすい印象です。

    〜することができる〜られる
    5月の初夏には蛍を見ることができる。5月の初夏には蛍を見られる。
    好き嫌いがないので、なんでも食べることができる。好き嫌いがないので、なんでも食べられる。
    彼は私より速く走ることができる。彼は私より速く走れる。
    注意

    「〜られる」はビジネスでも問題ない表現ですが、いわゆる「ら抜き言葉」には要注意!(例:「見られる」→「見れる」)

    ら抜き言葉も文法的に誤りではありませんし、話し言葉としては認められていますよね。ただ、文章では「カジュアルすぎる」「若者言葉」「書き言葉ではない」とネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。

    お~になる、ご~になる

    「お~になる」「ご~になる」は「〜することができる」の丁寧な言い換え(尊敬語)です。特にビジネスシーンやフォーマルな状況で相手に敬意を表す際に使います。

    〜することができる「お~になる」「ご~になる」
    24時間電話サービスを利用することができます。24時間電話サービスをご利用いただけます。
    いつでも応募することができます。いつでもご応募いただけます。
    富士山を見ることができます。富士山をご覧になれます。

    能力がある

    「〜することができる」を「能力がある(持っている)」と言い換えるのもおすすめです。シンプルに「できる」と書く以上に、その人が特定の技能や才能を持っていることが強調されます。

    例えば「彼女は料理を作ることができる」を「彼女は料理を作る能力がある」と言い換えると、「どれも美味しいんだよ!」「なんでも作れるんだよ!」といったニュアンスが伝わりますよね。

    〜することができる能力がある
    彼女は料理を作ることができる。彼女は料理を作る能力がある。
    Cさんは長距離を走ることができる。Cさんは長距離走の能力がある。
    あの人はチームを効率的に管理することができる。あの人はチーム管理の能力がある。

    〜が得意

    「〜が得意」という表現は、その人の特技や好きなことをより前向きに表現するのに役立ちます。

    例えば「彼は数学を解くことができる」と「彼は数学が得意だ」を比較すると、「得意」のほうが強みをアピールしたい気持ちが伝わります。

    〜することができる〜が得意
    彼は数学を解くことができる。彼は数学が得意だ。
    彼女は物語を書くことができる。彼女は物語作りが得意だ。
    あの子は昔からギターを弾くことができた。あの子は昔からギターが得意だった。

    許されている

    「〜することができる」には権限や許可の意味も含まれているため、「許されている」と表現するのもよいでしょう。

    例えば「彼らはそのエリアに入ることができる」を「彼らはそのエリアに入ることが許されている」と言い換えると、エリアに入るための明確な許可があることを示せます。

    〜することができる許されている
    彼らは特別で、そのエリアに入ることができる。彼らは特別で、そのエリアに入ることが許されている。
    彼女はその書類にアクセスすることができる。彼女はその書類へのアクセスが許されている。
    著作物を許諾なしで自由に利用することができるケースもある。著作物を許諾なしで自由に利用することが許されているケースもある。
    正社員はフルリモートワークをすることができます。正社員はフルリモートワークが許されています。

    〜する権利がある

    「〜する権利がある」は個人の自由や権利を強調する際に使います。特に法的、倫理的な権利や自由を表現するのに適しています。

    〜することができる〜する権利がある
    彼女も意見を述べることができる。彼女も意見を述べる権利がある。
    労働基準法により、休憩を取ることができます。労働基準法により、休憩を取る権利があります。
    社員は労働組合に参加することができる。社員は労働組合に参加する権利がある。
    満18歳以上の日本国民は投票することができる。満18歳以上の日本国民は投票する権利がある。

    〜する自由がある

    「〜する自由がある」という表現は、選択の権利や自己決定の重要性を強調する際に用いられます。

    例えば「彼はどこへでも行くことができる」を「彼はどこへでも行く自由がある」と言い換えると、物理的な能力以上に、その行動を取る選択権を強く示せます

    〜することができる〜する自由がある
    彼はどこへでも行くことができる。彼はどこへでも行く自由がある。
    彼女は好きな服を着ることができる。彼女は好きな服を着る自由がある。
    飲み物はあちらにあるので、ご自分で取ることができます。飲み物はあちらにあるので、ご自由にどうぞ。

    問題ありません

    許可や同意のニュアンスをより丁寧に表現したい場合は「問題ありません」「差し支えありません」といった表現が向いています。相手の行動や要望を許可し、かつ敬意を表したい時におすすめです。

    〜することができる問題ありません
    午後4時からなら会議室を使うことができます。午後4時からなら会議室を使っても問題ありません。
    他部署も会議に参加することができます。他部署も会議に参加しても問題ございません。
    社内でこの資料を共有することができます。社内でこの資料を共有することに差し支えございません。
    日程も変更することができます。日程の変更も差し支えございません。

    まとめ

    今回は「〜することができる」という冗長表現の言い換え方法を紹介しました。言葉を少し変えるだけで、文章がグッと分かりやすくなりますし、ポジティブな印象を与えられます。

    記事を書く際はぜひ参考にしてくださいね。推敲の際は、重複表現も合わせて確認を!詳しくはこちら↓