「Webアクセシビリティ」とは、すべての人が同じようにアクセスして使えるようにすることを意味します。
「概念はなんとなく分かるけど、結局何をすればいいの…?」と思うかもしれません。
そこで今回はWebアクセシビリティの観点から、ホームページをより使いやすくするための具体的な方法を紹介します。
Webアクセシビリティとは?
「Webアクセシビリティ」とは、誰にとっても使いやすいサイト・アプリの設計・開発を意味します。
特に、障がいを持つ人にもサイトやアプリをスムーズに使用できるよう配慮されています。
- 視覚
- 聴覚
- 身体
- 認知
- 言語
- 学習
Webアクセシビリティに対応していない場合、限られた顧客層にしかアクセスできないため、顧客層が狭まってしまいます。
Webアクセシビリティに対応するとより多くの人が自社コンテンツに触れるため、売上増加にもつながるのです。
Webアクセシビリティの基準
Webアクセシビリティの基準は、主に2つあります。
- WCAG:国際的な基準
- JIS X 8341-3:日本の基準
他にも国や地域独自のWebアクセシビリティ基準が存在します。
ここでは「WCAG」と「JIS X 8341-3」について簡単に説明しますね。
WCAG
「WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)」は世界的に広く採用されている基準です。
細かくガイドラインが定められており、要件を満たしているかどうかを3つの適合レベル(レベルA / レベルAA / レベルAAA)で評価します。
2023年1月22日時点で最新バージョンは「WCAG 2.1」です。
JIS X 8341-3
「JIS X 8341-3」は日本特有のアクセシビリティ基準ですが、現在はWCAGの基準が取り入れられています。
正式名称は「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」と言います。
2023年1月22日時点で最新バージョンは「JIS X 8341-3:2016」です。
サイトを改善するための具体的な方法
Webアクセシビリティの基準は細かく決まっているため、すべての条件を満たそうとすると大変です。
ここではWebアクセシビリティの観点から特に見直したい6つのポイントを紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
- テキストによる代替を提供する
- コントラスト比を高くする
- 点滅する広告は停止できるようにする
- ナビゲーションを明確にする
- 専門用語について補足する
- エラーを分かりやすくする
テキストによる代替を提供する
画像や動画・音声にはテキスト(文字)による説明をつけましょう。
テキストを表示すると、読み上げ機能・拡大機能・点字への変換が利用可能となります。
- 音声はテキストで書き起こす
- 写真に「アクセス解析の画面」など詳細な説明をつける
- アニメーションの補足として文章で説明する
- バナー画像のalt属性にリンク先のサイト名を記述する
コントラスト比を高くする
「コントラスト」とは、簡単に言うと背景とテキストの色の対比です。
背景が白・テキストが黒ならハッキリと読めますが、背景をグレー・テキストを黒にすると読みにくくなりますよね。
特に色覚異常のあるにとっては内容が分かりにくい=Webアクセシビリティに対応していないということになります。
WCAGでは、最低限のコントラスト比を4.5:1、十分なコントラストを7:1としています。
テキストとその背景が区別しやすいようコントラスト比を大きくしましょう。
コントラスト比はデザイナーに確認すると良いですが、コントラスト比チェックツールも多く公開されています。
色のコントラストチェッカーでは無料で簡単にコントラスト比を確認できるので、試してみましょう。
点滅広告は停止できるようにする
点滅するコンテンツは人の興味を強く引きます。
だからこそバナー広告によく使われるのですが、動きが激しいと邪魔に思えます。
特に注意欠陥障がいを持つ人は注意が散漫になり、文章や動画に集中できなくなってしまいます。
- 5秒後に点滅を停止する
- ユーザーが点滅を停止できるようにする
無駄に動きの多い広告で、サイトの利用を妨げないようにしましょう。
ナビゲーションを明確にする
「ナビゲーション」とはメニュー・検索機能や関連記事など、読みたいコンテンツをスムーズに探すための手段です。
ナビゲーションが明確になっていれば使いやすさにつながり、さらに回遊率アップも期待できます。
- 検索機能をつける
- サイトマップを表示する
- 目次を表示する
- 関連記事を表示する
- リンク先がどんなページが分かるようにする
専門用語について補足する
想像してみてください。
記事を読んでいるとき、知らない単語が出てきました。
記事内で説明されていないため、仕方なくそのキーワードを検索します。
キーワードの意味が分かったところで記事を読むのを再開しようとしましたが、「どこまで読んだのか」「どこまで理解したのか」分からなくなってしまいました…。
きっとあなたにも、こんな経験があるはずです。
一般的ではない言葉を使う際は補足説明をしたほうが親切ですね。
- 言葉の定義をインラインで説明する
- 用語集へリンクする
- 注釈をつけて、記事最後で説明する
エラーを分かりやすくする
サイトに問い合わせフォームを設置する場合、エラー表示にも注意しましょう。
例えば「入力エラー」と表示されるだけでは「何がエラーなのか」「どう書き直せばいいのか」分かりにくいですよね。
めんどくさくなって、フォーム入力を諦めてしまうかもしれません。
- 必須項目には「必須」または「✳︎」と記載する
- 入力されていない項目には「未入力」と表示する
- エラーの項目を黄色や赤色などで目立たせる
- エラーした項目にすぐ移動できるようにする
まとめ
今回はWebアクセシビリティの観点から、ホームページをより使いやすくするための具体的な方法を紹介しました。
- テキストによる代替を提供する
- コントラスト比を高くする
- 点滅広告は停止できるようにする
- ナビゲーションを明確にする
- 専門用語について補足する
- エラーを分かりやすくする
Webアクセシビリティに対応したホームページは、障がいを持つ人々だけでなく、すべての人が利用しやすいようにデザインされています。
今回紹介したポイントを見直して、ユーザーの満足度を高めていきましょう。