「お問い合わせください」と書きたいとき、「ください」と「下さい」のどちらを使うべきか迷ったことはありませんか?

どちらでもよいように思えますが、実は意味が異なります。誤った表現を用いると、読者に違和感や不信感を与えてしまうかもしれません。

この記事では、「ください」と「下さい」の違いや使い分け方を解説します。正確な表現を身につけて、記事の信頼感を高めましょう。

「ください」と「下さい」の違い

ひらがな(平仮名)表記と漢字表記について、文法面から違いを説明しますね。

「ください」は補助動詞

ひらがなで表記される「ください」は補助動詞です。「動詞」の後ろに付いて、動詞の意味を補う役割を持っています。

通常「ご○○ください」「お○○ください」という形で使われます。

ひらがな表記の例
  • ご確認ください
  • ご覧ください
  • お問い合わせください

文化庁の「公用文作成の考え方」では、補助動詞は補助動詞は原則として仮名で書くことが推奨されています。そのため、公式文書やビジネス文書では、漢字ではなくひらがなを使いましょう。

「下さい」は動詞(くれ)

漢字表記の「下さい」は、動詞「くれ」の尊敬語や丁寧語です。相手に対して何かを要求する際に使われる表現で、お願いや依頼を少し強めに伝える場面に適しています。

具体的には、名詞に「を」を付けて「○○を下さい」といった構造になります。

漢字表記の例
  • もう少しお時間を下さい
  • コーヒーを下さい
  • 資料を下さい

 「ください」と「下さい」の使い分け

「ください」と「下さい」のどちらを使うべきかは、文の意味によって異なります。ここからは、具体的な例文を挙げて解説していきます。

どうぞご安心ください

「ご安心ください」は、サービスや製品の信頼性を強調したいときによく使いますよね。具体的なものを要求していないため補助動詞(ひらがな表記)が適切です。

例文
  • 当社のサポートチームが全力でサポートいたしますので、どうぞご安心ください。
  • 詳しい手順については以下の記事で解説していますので、あわせてご参照ください。
  • 今回のキャンペーンをぜひご活用ください。
  • このチャンスをお見逃しなく、奮ってご応募ください。
  • ぜひお気軽に当社ショールームまでお越しください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。

ぜひご検討ください

「ぜひご検討ください」は、記事を締めくくる際に便利な表現ですね。

この場合、「ください」自身に意味はありません。動詞の補助として用いているため、ひらがな表記を選びましょう。

例文
  • 詳細な資料をお送りしますので、ぜひご検討くださいませ。
  • 24時間受付中。いつでもご連絡ください!
  • ご不明点がございましたら、お気軽にお申し付けください。

お電話を下さい

「お電話を下さい」は相手に具体的な行為(電話での連絡)を求めているため、漢字表記を使います。

例文
  • すぐにお電話を下さい。
  • お手数ですが、関連資料を下さい。
  • お手すきの際にお返事を下さい。
  • 何かアドバイスを下さいましたら幸いです。

「ください」「下さい」の言い換え例

「ください」や「下さい」が繰り返し出現すると、文章がくどくなってしまいます。読者を飽きさせないよう、表現のバリエーションを増やしましょう。

○○していただけますでしょうか?

「ください」は場合によっては強い依頼のように感じることがあるため、目上の方や重要な顧客に対しては注意が必要です。

「○○していただけますでしょうか?」に言い換えると、より敬意を示すことができます。

「○○していただけますでしょうか?」例文
  • ご検討ください → 検討していただけますでしょうか?
  • ご確認ください → お手数ですが、確認していただけますでしょうか?

○○をいただけますか?

「○○をいただけますか?」は、何かをお願いする際に、より控えめな印象を与える言い回しです。通常、○○には具体的なもの・行為が入ります。

「○○をいただけますか?」例文
  • 時間を下さい → お時間をいただけますか?
  • 資料を下さい → 資料をいただけますか?

〇〇をお願いします

「○○をお願いします」に言い換えると、相手に強制感を与えず、柔らかくお願いできます。カジュアルながらも丁寧さを保てるため、幅広いシーンで使えるでしょう。

例文
  • ご検討ください → ご検討をお願いします。
  • ご確認ください → ご確認をお願いします。

まとめ

「ください(下さい)」は記事でよく使われる言葉ですが、ひらがな表記と漢字表記には明確な違いがあります。正しく使えていれば、読者に信頼感や丁寧さを伝え、文章全体の質を高めることができます。

さらに、言い換え表現を取り入れると文章がより豊かになるため、離脱率の低下にもつながるでしょう。

「ください(下さい)」以外にも、漢字にするかひらがなにするか迷うシーンはよくあると思います。以下も記事では判断基準をわかりやすく説明しているので、あわせて読んでみてくださいね。