記事やSNSが原因で、批判・誹謗中傷が集中する「炎上」。多くの企業が炎上を防ぐために努力していますが、残念ながら自分や自社ではリスクに気付けないことが多いのが現状です。

そこでおすすめしたいのがAIの活用です。AIを利用することで、見逃しがちなリスクを事前に検出し、対策を講じることができます。

この記事では、炎上の原因を具体例とともに紹介し、AIで記事をチェックするための指示文について詳しく解説します。

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    炎上の主な原因と具体例

    炎上は、自分(自社)と世間の認識のズレから生じます。たとえ自分では問題ないと思って投稿した内容でも、批判が殺到することがあるのです…。

    まずは、炎上の主な原因と具体例を見ていきましょう。

    差別

    人種差別や性差別、ジェンダー(LGBTQ)に対する配慮を欠いた表現は、炎上の引き金となります。

    最近で言えば、音楽バンドMrs. GREEN APPLEの曲「コロンブス」MV(ミュージックビデオ)がニュースになりました。

    メンバーがコロンブスに扮し、類人猿が引く人力車に乗るシーンが批判を呼んだのです。公開直後からSNS上で「先住民を類人猿に見立てている」「植民地主義と奴隷制を肯定している」との声が殺到し、最終的にMVの公開を停止する事態に至りました。

    当たり前に使っている表現が、実はNGワードだった…というケースも考えられます。

    例えば、昔は「保母」「女医」と言っていましたよね。現在は職業を示すのに性別は不要という考えから「保育士」「医師」に言い換えるのが一般的です。他の具体例を知りたい方は以下の記事も読んでみてください。

    法律違反

    景表法や著作権法、薬機法などに抵触して炎上した事例もよく見られます。

    特に消費者を欺くように商品やサービスを宣伝する「ステルスマーケティング」は、消費者にとって悪質なマーケティング手法と見なされ、炎上しやすいです。実際、多くの芸能人がステルスマーケティングに加担し、謝罪や活動自粛に追い込まれることがありました。

    また最近では、マチノマ大森内科クリニックが、インフルエンザワクチン接種費用の割引条件として高評価の口コミ投稿を促したことで、消費者庁が行政処分を下しました。

    ホームページ運営に関わる法律はいくつもあります。詳しくはこちらの記事で解説しているので、あわせて読んでみてください。

    不適切な表現

    差別ではなく法的にも問題がない場合でも、配慮が足りない発言が炎上の原因となることがあります。

    具体例としては、音楽バンドflumpoolのボーカル山村隆太さんの発言が挙げられます。

    彼は、ライブの延期を発表する際に「この経験をバネにさらなる成長を遂げた歌でまたライブをします」とファンに呼びかけました。しかし「この経験をバネに」という表現に対して違和感を覚えた人々から批判が寄せられました。

    また、最近では、俳優の生田斗真さんの発言も問題視されました。

    出産を怖がる女性ファンに対して「旦那様に無痛おねだりするか」と伝えたのです。「出産の大変さを分かっていない」「女性には決定権がないのか?」といった声が上がりました。

    どちらの事例も、発言者に悪意はなかったと考えられますが、言葉選びの不注意が炎上を招いてしまいました。

    炎上対策にAIを活用!具体的な指示文

    ネット炎上を防ぐためには、極端な発言を避け、多様な人々に配慮した発信を心掛けることが重要です。とはいえ、自分や自社では内容が適切かどうかを正確に判断するのは難しいですよね。

    そこで、ChatGPTなどの生成AIを活用したチェックをおすすめします。以下に、炎上防止のためにAIに指示する具体的な指示文(プロンプト)を紹介します。ぜひ参考にしてください。

    差別をチェックする指示文

    AIに記事の下書きをコピペして、「差別的な表現がないかチェックして」と伝えましょう。以下のような指示文を使うと、AIが差別的な表現を検出しやすくなります。

    このテキストに人種、性別、性的指向、宗教、国籍に関する差別的な表現や内容が含まれていないかチェックしてください。特に、以下のポイントに留意してください。

    • 特定のグループや個人を攻撃・侮辱する内容
    • ステレオタイプを助長する表現
    • ネガティブな文脈で特定の属性を強調する記述

    以下に差別的な表現のNG例文とその解説、および修正例を表にまとめました。

    NG例文問題点修正例
    この新製品は主婦でも簡単に使えます。「主婦は高機能の製品は使えない」という考えが反映されています。「性別に関係なく誰でも使える」といった表現に変更するべきです。この新製品は誰でも簡単に使えます。
    彼はゲイにしてはとても男らしい。「ゲイにしては」「男らしい」という表現は、ゲイの男性に対する偏見やステレオタイプを助長し、性的指向に対する差別的な見方を含んでいます。彼はとても凛々しい。
    外国人スタッフでも優秀な人がいます。「でも」という表現は、外国人が優秀であることが例外であるかのように聞こえ、国籍に基づく偏見を含んでいます。優秀な人が多くいます。

    法律違反をチェックする指示文

    AIに法令に抵触する可能性のある内容をチェックさせたい場合、以下のような指示を入力しましょう。

    このコンテンツが以下の法令に違反していないか確認してください。

    • 景品表示法:商品やサービスの広告や表示において、事実と異なる内容が含まれていないか。
    • 著作権法:他者の著作物を無断で使用していないか。
    • 薬機法:医薬品や医療機器の広告において、誤解を招く表現や未承認の効能を謳っていないか。

    AIは法令に基づいてコンテンツを分析し、違反の可能性がある箇所を特定します。以下にNG例文とその問題点、修正例を紹介します。

    NG例文問題点修正例
    このサプリメントは飲むだけで10キロ痩せます。薬機法に違反しています。医薬品やサプリメントの広告で、科学的根拠のない効果を謳うことは禁止されています。このサプリメントは、バランスの取れた食事と運動と併用することで、ダイエットをサポートします。
    当社の製品は、他社製品よりも絶対に優れています。景品表示法に違反しています。根拠のない優位性の表示は、不当表示とみなされる可能性があります。当社の製品は、多くのお客様から高い評価をいただいています。
    この商品は100%安全です。景品表示法に違反しています。完全な安全性を保証することは、誤解を招く恐れがあります。この商品は、厳格な安全基準を満たしています。

    不適切な表現をチェックする指示文

    AIへの指示が「不適切な表現がないかチェックして」のように漠然としていると、正しく検出できない可能性があります。より具体的な指示を行うことが重要です。

    このテキストに以下の点に該当するユーザーを不快にさせる可能性のある表現や、誤解を生む表現が含まれていないかチェックしてください。

    • 誤解を招く曖昧な表現や情報
    • 暴力的、攻撃的な内容
    • 過度にネガティブな言い回し
    • 一方的な決めつけ

    以下に、AIが指摘してくれる可能性が高い表現と修正例を紹介します。

    NG例文問題点修正例
    この製品を使わない人は馬鹿です。他人を侮辱する表現が含まれており、ユーザーを不快にさせる可能性があります。この製品を使えば、多くのメリットがあります。
    誰もがこの商品を必要としています。一方的な決めつけは、多様なユーザーのニーズを無視しています。多くの人にとって、この商品は便利だと感じるはずです。
    競合他社の製品は全く使い物になりません。他社の製品を過度に攻撃する内容で、暴力的、攻撃的な印象を与えます。 他社を貶めることで、企業の品格を損ないます。当社は、品質とサービスの向上に常に努めています。
    この方法を使えば、バカでもできます。誇張した表現は誤解を招きやすく、消費者を欺く可能性があります。この方法を使えば、簡単にできます。

    まとめ

    今回の記事では、炎上の原因を「差別」「法律違反」「不適切な表現」の3つに分類し、それぞれの具体例を紹介しました。リスクを最小限に抑えるためには、社内でのチェックに加えて、AIを活用することをおすすめします。

    この記事を参考にして、ぜひ公開前にコンテンツを見直し、炎上リスクを事前にチェックしてください。

    特に、法律に関してはあまり意識せずに運営している方も多いので、今回をきっかけに学んでみてはいかがでしょうか。