「せっかく記事を書いても、離脱率が高い…。やる気がなくなる…」という悩みを抱えている方へ。
そんなときは人間の心理「アンビバレンス」に目を向けてみませんか?アンビバレンスは、内に秘めた本音や葛藤を理解するための鍵となります。
この記事では、読者の心を揺さぶり、最後まで読ませるために、アンビバレンス心理を活用する方法を紹介します。
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アンビバレンス=葛藤の心理
「アンビバレンス」とは、簡単に言えば心の中の葛藤です。「痩せたいけど、食べたい」「恋人が欲しいけど、まだひとりがいい」といった、相反する感情が同時に存在する心理状態を指します。
心理学では「両価性」とも呼ばれ、人間の決断や行動に大きな影響を与えることがあります。アンビバレンスは感情によって大きく3種類に分けられます。
- 肯定的な感情×否定的な感情
- 否定的な感情×否定的な感情
- 肯定的な感情×肯定的な感情
ひとつずつ見ていきましょう。
肯定的な感情×否定的な感情
肯定的な感情と否定的な感情が交差する状況は、私たちの日常生活でよくありますよね。
- 健康のためにはサラダを食べた方がいいけど、やっぱりフライドポテトが食べたい。
- お金を貯めたいと思っているけど、あの新しい洋服が欲しい。
- 仕事で出世したいけれど、これ以上プライベート時間を削りたくない。
- 環境のことを考えなきゃとは思うけれど、こんなに便利な車移動を諦められない。
例えば「食べたいけど、太りたくない」という状態を考えてみてください。「美味しいものを食べたい」という肯定的な感情と、「体型を保ちたい」という否定的な感情が葛藤しています。
肯定的な感情×否定的な感情の場合、たいてい肯定的な感情が勝ちますね。
否定的な感情×否定的な感情
否定的な感情同士が交差する状況は、選択が困難な場面で特に見られます。
- 仕事をこれ以上続けると体を壊しそうだけど、収入が必要なので休むわけにはいかない。
- 友達といるとストレスを感じるけど、一人でいると孤独を感じる。
- 仕事に満足していないけれど、もっといい会社に転職できるか不安だから動けない。
- 今の部屋に不満があるけれど、引っ越しの手間と費用を考えると踏み切れない。
「会社に行きたくないけど、行かなきゃ怒られる」という場合、どちらも望ましくない選択です。そこで、マシな方を選ぼうとする心理が働きます。もしくは、どちらも積極的には選ばない=現状維持になるケースが多いですね。
肯定的な感情×肯定的な感情
葛藤には「この会社で働き続けたいけど、他の会社での経験も積みたい」といったケースもありますね。どちらもポジティブな選択肢ですが、だからこそ簡単に選べず、強いアンビバレンス心理を生み出します。
- 趣味にもっと時間を費やしたいし、家族と過ごす時間も同じくらい大切にしたい。
- 海外で働くことを望む一方で、国内での安定した生活も捨てがたい。
- 今の仕事はやりがいを感じているが、もっと高い給料がもらえる仕事も魅力的だ。
- ヘルシーな宅配弁当もおいしいけれど、たまには思いっきり好きなものを食べたい。
読者の本音を文章に使う3ステップ
最後まで読んでもらう記事を書くのは容易ではありません。しかし、読者の本音を理解し、文章に反映させることで、読者の関心を引きつけられます。
ここからは記事制作にアンビバレンス心理を活用する方法を紹介します。
読者の抱える問題を特定する
まずは読者が直面している課題や困難をリストアップします。例えば、健康維持、時間管理、仕事とプライベートのバランスなど、読者が抱える問題を考えます。
記事を書く前にペルソナを設定するとスムーズです。ペルソナとは、分かりやすく言うと「職業や年収などの属性を細かく決めたターゲット」です。
こちらの記事ではペルソナ設定のステップを紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
読者の感情を挙げてみる
読者が持つ可能性のある感情を挙げます。特に「不満」に注目してください。読者が感じている「不安」「不満」「不便」など、さまざまな「不」の感情を考えてみます。
例として、運動したいができていない男性の感情を挙げてみましょう。
- 不満:どうしても日々の仕事が先に来てしまって、自分の健康が後回しになってしまう。
- 不便:近くにジムや運動施設がない。運動するためには電車・バス移動が必要。
- 不自由:仕事のスケジュールが不規則で、計画的に運動の時間を設けることができない。
- 不快:運動を始めたいけれど、暑くて汗がダラダラ流れるのが嫌。
- 不愉快:太ってから、周りからの視線が気になる。走ってる姿を見られたくない。
- 不健康:運動不足が続き、明らかに体調が悪くなってきている。医師にも注意された。
- 不利益:運動不足によって体力が落ち、仕事のパフォーマンス低下にもつながっている。
不安・ストレスのほかに、期待や希望などの肯定的な感情もどんどんメモしてください。
問題と感情を反映したセリフを作成する
これまでのステップで得た情報をもとに、読者が実際に言いそうなセリフや、共感できるシナリオを作成します。「内心では望んでいるが、現実には実現できていないこと」つまり、読者のアンビバレンス心理を代弁するのです。
運動しようとは思っているが実際にはできていないケースでは、以下のようなセリフを作ります。
- 本当は運動したいんだけど、仕事が忙しすぎて、そんな余裕はないんだよな。
- 運動したほうがいいのは分かってるんだけど、いつも後回しにしちゃうんだよね…。
- 「今年こそは」と思うけど、近くにジムがないし、電車に乗ってまで通いたくない…。
記事の導入部分にセリフを取り入れて、読者の共感を誘いましょう。続けて「解決策も紹介していますよ」と伝えると、最後まで読んでもらえる確率がグッと上がります。
まとめ
今回は、読者の心を掴むための重要な鍵、アンビバレンス心理を紹介しました。読者の「したいけどできない」という本音を代弁すると、読者を引き込めるようになります。
記事の離脱率を下げるために、アンビバレンス心理を活用したライティングをぜひ試してみてください。
こちらの記事では、他にも文章に取り入れたい心理をまとめています。あわせてチェックしてみては?